★Beat Angels

サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

2016-01-01から1年間の記事一覧

田端文士村記念館

JR田端駅の北側の改札を出て西方向に進む。 そして、駅すぐそばの横断歩道を渡る。 そこに文士村記念館がある。 かつてこの田端の地に芥川龍之介が居を構えた。それをきっかけに室生犀星、菊池寛、堀辰雄、萩原朔太郎などがここに移り住み、文士村となった。…

秋の転調

▮冬枯れて記憶舞い飛ぶ岸辺かな 汽車の中で私の前の席に静かに座っていたその人は小雪の舞う最上川を眺めながら涙を一筋流した。 そして今日、その人のいた席に私が座っている。 ▮永訣の予感、初雪予報聴き 急を知らせた病院へと向かうタクシーの中、ラジオ…

ノブヒコと口座振込

ある日、ノブヒコは口座振込のために郵便局にいた。振込みの依頼書には次のように記されていた。 ・振込額は10万円であるが、振込料金は振込先である相手の会社が負担する。 ・振込額の10万円から振込料金を差し引いた額を振込んでほしい。 というものであっ…

九時半の男たち

身内に不幸があり故郷に帰ったとき、昔の同級生たちが集まってくれた。彼らの誘いで地元の飲み屋で酒を酌み交わした。僕を入れて6人、懐かしい思い出話に花を咲かせた。 もう40年以上も前の話だ。どんな話が飛び出したかというと・・・ ー学校の休み時間…

アポロ月着陸船

4時間かけて完成しました。 いろいろな種類があったのですが、メタルの質感からこのアポロ月着陸船を選びました。高さは約5cmとコンパクト、精密さが際立ちます。 これが下部。ディテールにもこだわりがあります。 上から。 どの方向から見ても精密です…

詩人としてのボブ・ディラン

ボブ・ディランが2016年のノーベル文学賞を受賞して話題となっている。あまり知られていないがこれまでも候補として名前は上がっていたらしい。 同じアメリカの詩人であるT・S・エリオット('88~'65)は、1922年に『荒地』という長編詩を発表し、戦争前後を通…

柿の木のある家

わが故郷の家の庭には一本の柿の木がある。私が3歳の時、父と訪れた縁日で苗木の形で買ってきたものである。それは当時玄関先に無造作に植えられた。それから桃栗三年柿八年。私が小学校高学年になる頃に柿の木は初めての実をつけた。そしてそれが残念なこ…

上州新田郡三日月村を訪ねて

木枯し紋次郎 上州新田郡三日月の貧しい農家に生まれたという。十歳の時に故郷を捨てその後、一家は離散したと伝えられる。天涯孤独な紋次郎がなぜ無宿渡世の世界に入ったかは定かでない 秋の上州路、一面に広がる田、まもなく稲刈りのシーズンをむかえよう…

奇数角形のこと(その2)

以前、英国に7角形の硬貨があることを紹介した。その続きである。 マンホールの形はほとんどが円形をしている。それの理由は蓋が穴に落ち込まないためである。マンホールは幅がどの角度においても一定になることがその形に要求される。そうなければ角度によ…

水と緑と詩のまち:前橋

社用で前橋を訪れた。翌日が休日だったので前橋市出身の詩人・萩原朔太郎の詩集を片手に市内をぶらついた。以下は『郷土望郷詩』からの抜粋と市内の風景を収めたものである。 新前橋駅 野に新しき停車場は建てられたり便所の扉風にふかれペンキの匂い草いき…

芋煮とエッシャー

はっきりしない天候が続いているが、東北地方からは時節柄、芋煮の便りが聞こえてきている。今年は本場の山形では6mの大鍋も登場し、クレーンを使って一度に3万食分賄ったそうだ。 近所の人たちや同級生たちで集まり、河原で作って食べた芋煮の味は今でも…

エスカレーターの数学的表現

デパートでエスカレーターを使おうと思い、それを探し当ててはみたものの上り下りが反対側だったのでぐるりと廻らないといけなかった、ということは誰しも経験があるに違いない。そんなエスカレーターの数理についての話題である。 ここで取り上げるエスカレ…

軍艦島の居住空間

去る7月に訪れた軍艦島は、大きさは南北160m、東西480m、面積は6haあまり、周囲は1,200mの小さな島である。20分あれば島の周りを一回りできてしまう。かつてこの小さな島には最新の鉄筋コンクリートの高層ビルが立ち並び、一番多い時で5,000人を超える人が…

奇数角形のこと

東京スカイツリー。 周りを一周しながらツリーを眺めてみると、みる方角によって微妙に輪郭が変わるのが分かる。ある角度からはツリーが傾いているようにも見える。それはこのツリーが単純な円錐形ではなく地表部では三角形、そして第一展望台のある350m付近…

『弾丸特急ジェット・バス』

最近、こんなニュースが流れた。 車輪の部分を写真でみたがどうみてもカーブが曲がりきれる構造をしていない。技術的・原理的な課題も山積な上に、大掛かりな詐欺の疑いも浮上している。今後の展開が楽しみではあるが、この発想の原点は実はこの映画にあるの…

ノブヒコとアイスコーヒー

ノブヒコはコンビニエンスストアのアイスコーヒーが気に入っている。店にはこだわらない。夏の暑い日にはコンビニを見つけると立ち寄ってアイスコーヒーを購入するのが日課になっている。 ある暑い日のことである。ノブヒコはいつものように近所のコンビニに…

蚕糸試験場跡地にて

夏休みを利用して福島市の飯坂温泉を訪れた。翌日、旅館の周りをふらふらと歩いていた時に、とある風景に目をとめた。温泉街の中心から福島市街に向かう飯坂街道沿いの風景である。 緩やかな登り坂の桜並木道が、一般道路からやや斜めの方向に続いている。こ…

『シン・ゴジラ』

煎じ詰めるとゴジラという前例のない巨大正体不明の現象に対して、会議、ペーパーワーク、そしてお家芸の根回しで果敢に立ち向かう日本政府と関係官庁の姿を描いた力作。ヤシマ作戦を彷彿とさせるなかなかの出来栄えであったと思う。 数限りない感想がすでに…

唐突に2.26事件のこと

先日、遺産相続の手続きで役所に行ってきたが、窓口でこんなやりとりがあった。故人の戸籍謄本についての話である。故人が生まれたときからの戸籍を入手して提出したのだがその内容について疑義があるというのである。ちなみに故人は昭和10年(1935年)生ま…

グラン・クラス

東北新幹線のグランクラス席に初めて乗ったみた。まずはキャビンの様子から。 窓は飛行機を意識して小さめの設計で飛行機のビジネスクラスのシートを思わせる。小さくしたほうが高級感があるのは意外な発見。 シートのリクライニングの操作パネル。CA呼び出…

荒場の月

私は中央通路と呼ばれていたところに今でもおかれているベンチに一人腰かけていた。あたりには砂利、廃材、瓦礫などいくつもの山が無造作に積みあげられていた。日が暮れて月が瓦礫の山の向う側に上ると、その山々は黒い影となって私の座るベンチを取り囲ん…

軍艦島

廃墟にたたずむときに感じる不思議なやすらぎの根源は、そこが一切、何も主張しないことである。そこがどこであるのか、それが何であるのか、を含めて。

ゲーム差「マイナス0.5」

今年の去る5月1日にこんなニュースが流れた。 www.asahi.com 順位は常に勝率で決まる。通常、貯金数が多い方(借金数が少ない方)が順位は上だが、試合数や引き分け数に違いがある時に、まれに逆になることがある。30日現在、ロッテの貯金が7でソフトバ…

ケムール人の麦焼酎

JR福島駅前のショップでこんな麦焼酎を見つけた。 題して『ケムール人の挑戦』。 店頭には解説のポスターが貼り出されていた。 一読したがさっぱり理解できない。全国規模で麦焼酎業界に何か異変でも起きているのかと思ったが、実はこちらは麦焼酎だけではな…

壱岐の島

長崎空港のショップでこんな焼酎を見つけた。 なんでも、長崎の壱岐の島は麦焼酎の発祥の地らしい。この由緒正しい焼酎のラベルをよく見てみると・・・ NERV?エヴァンゲリオン? さっそく箱を開けてボトルを取り出すと・・・ これはびっくり。 なぜ、エヴァ…

SKYSENSOR 5900

1975年に発売されたラジオの名品、スカイセンサー5900。中学時代に買ってもらいました。 実家に眠っていたものを最近掘り出しました。高校生の頃に音が出なくなったのでずっと壊れたものだと思っていましたが、電池用の端子が錆び付いていることに気が付いた…

SONY SKYSENSOR 5900 (FM/AM MULTIBAND RECEIVER ICF-5900)

飯坂温泉の旅

福島駅から福島交通飯坂線の2両編成の電車に揺られること23分。終点の飯坂温泉駅に到着。 芭蕉の像と石碑が迎えてくれる。後方に見える橋が十綱橋。下を流れるのは摺上川。 少し上流の新十綱橋からみた十綱橋。摺上川は温泉を含んだ独特の色合いである。 …

地球と天球

地球儀・天球儀展を訪れた。 入館料は無料だが、日付、時間を指定した予約が必要。確かに博物館というよりも普通の企業のビルの一階に設置されたちょっとしたショールームという感じで収容人数は20名程度である。 フェルメールの名作『地理学者』『天文学者…

雪ウサギ(続報)

季節は5月、吾妻連峰の雪ウサギは跡形もなくお隠れになった。山のふもとの木々も新緑で若々しく美しい色となってきた。 山間の里では田植えが始まろうとしている。 雲の合間から光が差しこんで、遠い山肌の緑を照らしている。神々しい。 5月5日は立夏。季…