煎じ詰めるとゴジラという前例のない巨大正体不明の現象に対して、会議、ペーパーワーク、そしてお家芸の根回しで果敢に立ち向かう日本政府と関係官庁の姿を描いた力作。ヤシマ作戦を彷彿とさせるなかなかの出来栄えであったと思う。
数限りない感想がすでに書かれていると思うので、ここでは一つだけ。
ゴジラの1回目の上陸に際して、首都圏の鉄道各線の中で破壊されたのは京浜急行線だけであった。北品川駅に停車中の各駅停車の車両はゴジラによって軽々と蹴飛ばされ無残にも道路上に投げ出されて横転した。翌日、京急線は当然全線で不通、他の路線は正常運転であり、大きな混乱は生じなかった。
なぜ、京急線だけがここまで執拗かつ残虐に狙われたか、私は理由はこれではないかと踏んでいる。ショーの開催日は'16.7.31。大胆にも映画公開日('16.7.29)とほぼ合わせて催された企画である。
ゴジラはどういうわけか、これをけしからん、と思ったのではないか。ちなみにこのショーは54年ぶりというからゴジラの出現時期とも符合する。
映画のエンドロールの「終」の字は、おなじみの、
である。これはキングコング対ゴジラのそれであり、1962年の作品なので、まさに54年前のものである。