1982-01-01から1年間の記事一覧
いつも幸せを幸せだけを夢見ていたいなら池の美しい庭に来るといい小径をめぐり水に映る静けさを眺めるうちに心は安らかな寝息をたてるあの幼い頃に苦しみなど何も知らないころにこの風景を心に染めていたら私には今でも幸福しかないだろう汚れたものを見過…
” 黙って耳を澄ましていると 水に落ち葉の降りかかる音が かすかに聞こえてきます ”” 水のきれいすぎる公園では 年老いた恋人たちの語らいも 密かに華やいでいます ”人生に退屈していたら悲哀との出会いにもう嫌気がさしていたら肩に降りかかる落ち葉にペン…
かもめたちは飛び去った若者たちも消え去った風化した貝殻たちはほっとため息をついて潮鳴りをきくそしてまつりが近づいてくる潮のふるさとに少し悲しげな太鼓が響き忘れてしまった思い出のように老いた歌声が流れる・・・わしにも逢いたい人がいる・・・潮…
心の美しい娘ほどすぐに汚れに染まってしまい小さな汚れに傷ついてしまうだから君はこの街でうつむきがちに生きてきたのかでも君は知らないだろう朝早くにこの街が美しい藤色に刷られていることをそして大都会の匂いに混じりひっそりと藤の香りが漂っている…
鮮やかな思い出はすてきだだがおぼろな思い出も懐かしいあの秋のハイキングで君は僕になにを告げたのだろうあまりの紅葉にあまりの鮮やかさに僕はなぜか浮き浮きしてしまい都心からのあまりの近さにあまりの故郷らしさに僕は君さえも忘れそうになった本当は…
川で泳いでいた鯉を見つけてゆっくりゆっくりきたらこの公園に来てしまったの鯉たちに案内されてなんてちょっと素敵じゃない?仕事に追われるあなたにはきっと鯉が必要なのよ恋じゃなくて鯉!色づけた葉をつけて樹々たちが心一面に揺れてどうして今まで来な…
清流の音が激しくて心を洗うみたいだから「行ってみようか」あなたが誘った渓谷の滝紅葉色に染まってとめどなく流れる水音にあなたの声も消されがち「・・・?」「・・・!」ほんとうはあなたの愛の言葉を聞いてちゃんと答えるつもりなのに「・・・?」「・…
ついさっきから緑色の闇の彼方にぽっかりと穴があいて光のように夢たちがとび込むのだ洞窟だ!いたずらな夢たちがひしめき合い邪心なきおののきがこだまして穴はかぐわしい少年の想いに満つるみてごらん!穴に満ちる光こそ大冒険を試みた少年の瞳穴を駆ける…
水平線をみてしまったらだれもが海の子になる海の子は大切な無数の思い出たちを渚に捨て始める夕陽が水平線に沈むのを見ると捨てるということが少しも哀しくないことに気づき明日という日が必ずくるように思えてくる海の子は心がひろびろとしてきてもそのこ…
蕎麦ってやつはねわざわざ食べに出かけるよりは帰り道にふらっと寄るものさ電車に乗って行ったって時間をかけて行ったっていつでも帰り道なのさあの娘は吉祥寺だったっけ呼び出すにしたって蕎麦屋で会うにしたってわざわざ来たなんていえるかいつでも”ついで…