★Beat Angels

サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

1984-01-01から1年間の記事一覧

あこがれ

淋しいね・・・青春とは明日が見えない季節で通れはしない門だと分かっていればはなから寄り付くこともなかったのに哀しいね・・・あこがれに揺れていた頃は手に入らない聖少女を思うようにいつもあの門だけを心にためてそれだけが生きがいなどと思って不思…

とうきょう童歌

世の中なんて何ひとつ思った通りに行きゃしないあしたも見えて来やしない大仏さんはどこにいるそこから幸せ見えますか・・・逃げてく夢を追いかけて転んだはずみに泥だらけ心もよごれてしまいそう大仏さんはどこにいる心を洗ってくれますか・・・大仏さんは…

青春晩鐘

通り過ぎて振り返ればその季節の短さに人は黄金色の枯葉をみるだろう青春とは振り返って気がつく夕映えの晩鐘なのかもしれない懐かしい学生街の懐かしい古本屋の妙に暖かい活字たちよ君たちのページの中にはいつも黄金色の枯葉がはさまっているそして君たち…

藤色の君に

どうしたんだ?ずっと一人で立ちつくして君が静かな分だけ風の音がはっきり聞こえるそういえば君は五月生まれだったね去年の誕生日は浮かれていて公園のことなんて忘れてた藤色っていいな去年よりずっと大人になって君には藤色がよく似合うだまっていては不…

夢の橋

歴史が夢を見ていた頃はあなたは生まれていなかった歴史が悲哀をうたったころもあなたは生まれていなかったそれなのになぜあなたはこの橋が好きなのか 橋自身の思い出も幸せだった時代にも深い緑を染める木とも何一つ関わりがないのにあなたはこの橋がすきな…

早春

美しい早春は不幸だったふたりに優しい肌寒さを贈るだろう芽生えたばかりの堤防の雑草が遠慮がちになぐさめてくれるだろう死に急ぐことはありませんよ、と美しい早春は古いカーディガンをひっかけて対岸の遊園地の楽隊に合わせて堤防のフロアで円舞曲を踊り…

むさしの

落ち葉をかき集める人は思い出を焚き焚き火に手をかざす人は思い出を温める今もそんな風景が似合う場所人と人との関わりが煙となって秋空に向かうと水鳥たちが冬支度をはじめる水の豊かな公園では孤独が音を立て始める武蔵野を時雨が駆け抜けた翌朝は秋が素…