1981-01-01から1年間の記事一覧
ほんとうは君に草だんごが今でも似合うはずだおみくじをひいてみたり少し華やいで手相を見てもらい娘のようにはにかんでごらん コンクリートの中の毎日の生活の庭にたくさんのものを埋めてしまったあの頃の優しさと微笑みとそしてなによりも稚気・・・ もう…
きれいな空を残して灰色雲は遠くへ行ったこれからいい季節が来ると釣りをしている老人がつぶやきそうして私には淋しい思い出が残ったいい季節は空の色で決まるのですか?いい季節はふさぐ心も晴れるのですか?おじいさん、あなたは人を愛しましたか?旅に出…
懐かしさに酔いたくてまたお前のところに来たよいつぞやは秋でこの度は初夏さあの日と同じく若気に満ちてお前はずっと香ってきたのかギターの弦は切れたままだがあの頃の唄は覚えているよけやきの樹よ俺の10年はお前の1日のようだね若さも艶も失った俺に…
小さな胸には余りある重い悩みがあるならば一度あの橋へ連れて行こう鏡のようなきれいな湖水に春は桜が浮かび秋は紅葉が風に流れる橋の上に立って思い切り手紙をちぎったら涙と一緒に散らすのがいいひとつの愛の終りには冬でもないのに雪に変わり優しく湖水…
咲きたての花を折る少年をぼくはなぜ叱ってしまったかたとえひそかに手折られてもそれが花と少年の愛ならば花に哀しみはなかったろうに咲きたての花のようなひとに手も触れず唇もかわさずそれが心の愛だなどとはなんと勝手な言い草だろう悲しみながら去った…
語りつくせない愛があればもう言葉などいらないそしてぼくらは無口になり大自然の一部のように生きよう海と空といくつかの島影がなぜこんなにも溶け合うのかそしてぼくらは無口になり眺めの中にうもれていく僕らの愛を言葉や思惟で飾るのはよそう今ぼくらが…
待っていたいな・・・絹糸のような雨の降る夕暮れこの街はにぎやかでもきっと寂しい気分になれそうできることならばぽつりと涙を流してみたいなお腹がすいてきて足元から冷たさが忍び寄って心細さがいっぱい待っていたいな・・・思いっきりメランコリックに…
昨日あなたは公園にいたかそして一粒の真珠のような風景を拾ったか‐ 意気地なしの子供がひとり 初めて自転車にのれたのだ 暗く湿ったその子の世界に 急ぎ足で青空が現れた‐ 捨てられたコーラの缶に その子の小さな雄叫びが刻まれ 春風に舞う紙くずが その時…
花は二人のやすらかな故郷花を枕に寝転んで幼い日に再開しよう幼い日はふたりの暖かい故郷花の下で無口になってもう一度愛を語ろうあの日には新しい花が舞いあの日には新しい微笑みが湧きあの日には新しい出発がある花はつぶやいているふたりの幸せに花を添…