1994-01-01から1年間の記事一覧
小学校のころの帰り道はひたすら長いだけの田んぼの中の一本道だった。僕たちは退屈しのぎに「グリコ」をしながら帰った。グリコとはじゃんけんをして勝った人が、勝った形に応じて「グリコ(グーで勝った時)」「チヨコレイト(チョキで勝った時)」「パイ…
『横浜望郷情念詩集('85~'95)』より
秋の夜長は月をみて、月に想いを馳せるなどはいいことです。 意外なことに、月をみて、月のことを長い時間考えることは容易ではありません。月はシンプルな分だけ人間に様々なことを想起させるし、そもそも人間にはそれほど邪念が多いのです。私の場合もいつ…
『黒い秘密兵器』(全8巻、福本和也原作、一峰大二画)を読んだ。 正確には読み返した、が正しい。小学生当時は野球漫画といえば勿論『巨人の星』が人気だったが、この作品も結構根強いファンが多かった。でも、秘球が次々と編み出されたり、ライバルが次と…
古今東西の小説での絶世の美女の精密描写。 最初は、テオフィル・ゴーチエの『クラリモンド』。田舎暮らしのまじめな僧侶がある日教会で偶然に出合った女と恋に落ちる。芥川龍之介の格調高い名訳で。 おゝ如何に彼女は美しかつたであらう。理想の美を天上に…