★Beat Angels

サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

1983-01-01から1年間の記事一覧

冬の公園

寒い日にばかりあなたと逢うわけではないのにいつも僕らの間には風があるあなたが黄昏を見つめる間に僕が行く末を見つめる間に寂しくも重ねてしまう歳月気持ちのいい春でさえ僕らの間には風が吹くいくらか荒涼の気配をとどめそれゆえに愛した二人だけの場所…

歴史調のバラード

繰り返さなくなった歴史はネジの壊れた時計のように飾っておくしか能がない開かれているのに閉ざされて覚えているのに忘れられて繰り返さなくなった歴史は女でなくなった女のようで厚化粧をしているのに化粧をしていないように哀しいそれは美しければ美しい…

川のようにさよならを

二人歩きにくたびれたから一人歩きに切りかえた少し歳をとったけどお互いまだ捨てたものじゃない玉川上水みたいなものさ季節によっては若々しいよ 二人しゃべりにくたびれたから一人しゃべりに切りかえた風を相手に泣き言を水を相手に思い出を玉川上水みたい…

東京・ふるさと

吹き去った風がまた還ってくるような朝がある同じような匂いをのせて同じような冷たさを含んで季節をめぐる風たちは永遠の旅人なのかもしれないけれども彼らに聞いてみれば遠い昔のこの街のことや住んでいた人々の息遣いがよくわかるかもしれない今朝還って…

人いきれ

人いきれは暖かくて少し哀しい人いきれは平和だけど少し淋しいどうしてだろういろいろな人がいるのだお金を沢山もった人友達のいない人陽気な人今日仕事をなくした人つれあいを恨んでいる人愛情でふくれた人ボロ市の人いきれはいろいろな人生の人いきれだ心…

美しい言葉のように

何一つ口に出さなくてもこれ以上に美しい言葉がないような言葉をあの時代には語っていた遠い春の学生通りを汗ばみながら駆け抜けた片恋たち冷たい秋の学生通りを傘もささずに歩いた青春たちまるで美しい言葉のようだった時代できることならばいつも美しい言…

ためいきの道

この道をいくと誰に出会えるのですかこの道はどこへいくのですか木漏れ日は素敵に哀しい影をつくり落ち葉を踏む足音はため息に似た優しさです この道をいくと淋しい人に会えますかその人は私と同じ足取りで向こうから歩いてきますかだったら私このあたりで待…