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サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

おきあがりポロンちゃんの運動解析

おきあがりポロンちゃん。

 

昭和時代に赤ちゃんだった経験をお持ちの方ならば懐かしいと思うのではないでしょうか。体を傾けるとポロンポロンというチャイムのような優しい音色がしてゆっくりと元の姿勢に戻ります。昔は赤いビニール製の服を着ていました。これは体長5cmのミニチュア版ですが動きはまったく同じです。

振動の周期は1秒。速すぎず、遅すぎずまるで赤ちゃんの動作を彷彿とさせる絶妙な設計です。これがどういう原理で動くのか、どういう構造となっているのかを解析してみたいと思います。

   

    

ポロンちゃんを手に持ってみると分かりますが、胴体下腹部に何か重い物体を隠しているようです。上記のパラメータに従って、ポロンちゃんの鉛直方向からの傾きθに関する回転の運動方程式は、

 

となります。これは単振動の方程式であり、Mが十分大きいことからこれが復元力となって振動することが分かります。

この方程式からその周波数ωを求めると、

 

となり、これが1周期=1秒となります。

本解析の目的は、ポロンちゃんの内部に潜む物体の質量Mとその存在位置rの関係式を求めることにあります。

ここでIは物体を含むポロンちゃんの慣性モーメントであり、ポロンちゃんの慣性モーメントIpと物体の慣性モーメントMを用いて、

 

となります。Ipについてはポロンちゃんの材質、形状から概算すると、

 

なので、整理すると、

 

となります。本式ではcgs単位系、つまり長さの単位はcm、質量の単位はgです。重量加速度gもcgs単位系の値980を使っています。

これをrの2次方程式として解いて、その結果にMが十分大きいという近似を用いると、

という関係式が得られます。M=40g、つまり物体の質量をポロンちゃんの重さの2倍とすると、r=1cmとなり、これがポロンちゃんを持った時の感触に近い値です。