とある町の交差点で信号が青になるのを待っていた時、そこにあった赤い看板の一部だけが目に飛び込んできた。
"tc"とはいったい何のことだろうか、とあらためて看板全体をみてみると、
あ、たばこか、と認識するまで結構時間を要した。
頭の中ではてっきり”tc”だと信じ切っているので、”tc”で始まる言葉の検索ルーチンが動き出してしまっていた。そこから抜け出してこれがひらがなであると軌道修正するまで結構時間がかかったということである。この検索ルーチンが動いている間、この「ば」や「こ」という文字もこれまで地球上で見たことのない不思議な記号のように見えて、つかのまの異世界感を味わうことができた。