★Beat Angels

サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

回転による図形の重ね合わせ

以前、二つの合同な長方形が重なって置かれている時に、ある点を中心とした回転で二つをぴったりと重ねることができることを示した。その点を作図するのは非常に簡単で次の通りである。

  

ここで「重なって置かれている時」と言っている理由について少し説明が必要だろう。実は二つの長方形はどんな位置関係にあってもある点を中心とした回転でぴったりと重ねることができる。例えば、

  
このように中途半端に重なっているときは辺を延長して交点を求めればいい。さらに二つの長方形が遠く離れている場合でも、

  

各辺の延長線を描くことで回転の中心の点を作図することができる。むしろこれが一般的な作図方法を示している。きちんと4辺が重なった場合はこれらの延長線を描く必要がなく、もっとも簡単に点を求めることができる。直感的にわかりやすいこともありこのケースを取り上げている、ということである。

さて、次なる問題はこれを立体の場合に拡張することである。

長方形の流れで3辺の長さが異なる直方体を取り上げる。頭の中で考えるには限界もあるので、実際に模型を作ってみた。材料は焼き鳥の竹串である。
  

   


これを用いて2つの直方体の位置関係を固定して次のような作業を行った。

   

このように2つの直方体が入り組んで重なり随所から顔を出す形とした。模型は一番右の図を作成する際に活躍する。

これを眺めながら考えた。空間上にある点が存在してその周りの回転で2つの直方体がぴったり一致するのは確かな気がする。しかし、どんな方向から眺めても複雑怪奇で、規則らしいものは見当たらない。そこで2次元、つまり長方形の場合での手順を分析してそれを3次元、直方体の場合に適用してみることにした。

まずは2次元の場合である。


これを素直に3次元に拡張してみる。模型をじっくりと吟味しないと間違えやすいので注意が必要である。


図はわかりにくいがこのようにして、3次元直方体の場合は最後は3平面の交点として回転の中心点が求められる。

なぜ、こうした作図で求めた点が回転の中心となるのかについてはちょっと煩雑なので省略するがまずは2次元の場合で証明できればそれを3次元に拡張するのは容易である。2次元の場合についての図を下図に示す。詳細な証明は省略するが御覧の通り、2つの図形間には常に緻密な調和関係が成り立っている。

       

さらにこの図に示したように、2次元長方形の作図で引いた2本の直線(上図では橙色)は直交している。それはさらに上のいくつかの写真をみても明らかである。このことから3次元直方体の場合で作図で登場する3平面はお互いに直交しているであることが予想される。任意の場所におかれた直方体の関係の中に直交座標が潜んでいるという事実は大変興味深い。

て、このような回転の中心点は一つしか存在しないのだろうか。実は一般には複数存在する。それは図形の位置関係にはよらず、図形そのもののもつ対称性に依拠している。

例えば、2次元の長方形の場合は2個である。正方形になると4個存在する。円ならば無限に存在してそれはとある直線上の任意の点である。楕円では2個、長方形と同等と理解される。3次元の直方体の場合は4個存在する。立方体に至っては24個存在する。球の場合はやはり無限だがとある平面上の任意の点に対応する。そして楕円体、これも無限に存在する。それは実は2本の直線上の任意の点である。

さて、上記の説明では1個しか取り上げていなかった。それはある選択肢の中で分かりやすい1点だけを作為的に暗黙で選んでいるのである。他の点はいったいどこにいるのか。それを理解するためにはまずは実際に図や模型を作って作図してみることが有効である。2次元正方形の場合についてヒントを下図に示す。

  


2次元正方形の場合は全部で4点ある。ここでは2点のみ示した。残りの2点もぜひ探し出していただきたい。

Get back!

ー じゃあ、誰がベースやるんだよ!(ジョン・レノン

高校時代に誰かが言う同じセリフを聞いた気がするビートルズが解散する直前の1969年のこと、幻のゲット・バック・セッションの模様が余すことなく明らかになった。これは7時間を超えるドキュメンタリーフィルムである。先のジョンの悲鳴もそこで発せられた。あくまでライブ録音にこだわり4人で担当楽器を入れ代わり立ち代わりした挙句のことである。

  

実はこれを観るのにはやや躊躇していた。というのも当時同じセッションをテーマにした映画『レット・イット・ビー』が公開されていてその陰鬱な印象が鮮烈だったからだ。あれと同じものを果たして7時間も見続けられるか、という不安だった。

しかし実際に観始めると完全に引き込まれた。とある日曜日の終日を2回みることに費やした。確かにトゥイッケナムの倉庫のような仮設スタジオでは音響の悪さもあってメンバー達のいらつきから口論に至るシーンも多かったが、アップルのスタジオに移動してからはムードは一変、音作りに熱中する四人の姿が描かれる。そこは映画『レット・イット・ビー』の沈滞感はない。

確かにその頃、バンドてしての活動は停滞していたのは事実。メンバーはそれぞれの世界を見つけ始めていた。音楽の志向もずれが見え始めていた。そう、彼らはもう大人だったのだ。それでもまだ何かやれるはず、バンドを結成したあの頃の原点に戻ろう、それがゲット・バック・セッションであった。

四人の協力で新たなアイディアが次々に生まれて曲が洗練されていく。そんなバンド活動の原点を見ることができる。例えば『ゲット・バック』。ポールの最初の小さな着想から生まれ、それが成長して名曲として完成する。スタジオのムードは明るくみんなも笑顔である。リンダとヨーコが談笑するシーンなどもあり、呆気にとられた。

そして圧巻のルーフ・トップ・コンサート。周辺の住民から苦情を受けて駆けつけた警察官にしなやかに対応する一階受付の女性には影の功労者として拍手を送りたい。また、屋上まで駆けつけたものの結局、ライブに聴き入っていた警察官も出演者として実名入りで紹介されている。

さて、カメラはコンサートを終えた四人のその後の行動も追いかけている。それから四人は何をしたのか。実は、またスタジオに戻って収録を続けたのである。なんともはや、素敵でご機嫌な人達だ。いつまでたっても。

 

合同図形に関する法則

2つの合同図形A、Bがある。どんな形でも構わない。2つを平面上の任意の場所に置く。2つの図形の間の距離と傾きは任意とする。

   

この図のように対応する任意の2点を選ぶ。対応する2点とは二つの図形をぴったり重ねた時に同一の点になることを意味する。次にそれぞれの2点から接線を引いて交点を求める。こうしてできた3点を通る円を描く。1回分の作業はこれで終了である。この作業を他の点で何度も繰り返してみる。

5回までやってみたのが次の図である。       

   

このように5つの円は共通の点Cを通っている。実は、図形A、B上のすべての点についてこの点Cは共通である。これは図形の形によらない。つまり図形は凹凸図形でもいいし多角形でもいい。多角形の場合は角の点の接線の引き方が気になるかもしれないが、その場合は接線が2本引けると考えて同じことを繰り返せばいい。

実際にやってみるとわかるが、点Cは、図形A,Bの距離と角度に反応して位置を変える。しかし円が通過する共通な点であることは変わらない。

この点Cとは、図形A,Bにとってどういう意味を持つ点なのだろうか?

まず、全ての点で共通となる回転角度を定義する。

   

回転角度は合同図形の距離は度外視して角度だけの差を表すものであり、図形上の全ての点において共通である。

   
図形上の点をE、Fとする。この図ように、接線の交点から角の2等分線を引く。これと円の交点が点Cの正体である。点Cから2本の接線におろした足を点D、Eとする。こうして登場した二つの直角三角形△CEFと△CGFについて考える。

まず角の2等分線であることから、
 

が成り立つ。円に内接する四角形の対向角の和が180°であることから、

 

が成り立ち、これらより、二つの直角三角形は合同である。

 

よって、


成り立つ。つまり点Cから図形上の二つの点までの距離は等しい。このことから、 


点Cを中心とした円を描くことができる。点Cを中心にして回転させることで二つの点を一致させることができる。この時の回転の角度は、同じく四角形が円に内接する条件から、

となり回転角度に等しい。

つまり、点Cはそこを中心とした図形の回転で二つの合同図形を完全に一致させる点に他ならない。

多角形の場合はどうか。その場合も同様に、

   

となり、点Cが求められる。この場合は角の点については2本接線が引けるが、合計4点が同一の円周上にあることが特徴である。さらにこの長方形の場合は面白いことに、点Cは次のようにして容易に作図することが可能である。

   

これは対向する線の平行性という条件から成立するもので、正方形は勿論、平行四辺形でも適用可能である。これを実演した結果を以下に示す。  

   

   

   

   

表面探査プロジェクト

ある男が見知らぬ惑星に不時着した。彼はその惑星の大きさを報告するように指示された。しかし、惑星の形はさっぱりわからない。上空から写真を撮ることもできない。彼にできることと言ったら地表を歩き回って惑星の表面を測定することだけである。彼は仕方がないので地表をくまなく歩きまわり表面の様子をつぶさに測定した。

同じようなことは地球上でも起こる。ある男が森の中で池を見つけた。彼は池の面積を知りたいと思うが水の中には入れない。できるのは周囲をぐるりと廻ってその水際の形を測定することだけである。こちらのケースは図形が平面図形の場合である。

このように物体の周囲や表面を測定して物体の面積や体積を求めにはどうしたらいいだろうか。

       
     

求めたいのはこれらの面積S、体積Vである。ここで面ベクトルdSは周囲、表面に垂直なベクトルである。その大きさは物体の長さ、面積に等しい。表面探査でこれがくまなく測定できたとする。物体の表面積Snについては、この面ベクトルdSの大きさを直接積分して、
 

で求められる。ここでnは次元数である。

これを使って物体の面積S、体積Vを計算する。まず、適当に一つの座標を選ぶ。選び方は任意である。


        
      

物体の面積、体積は下記の式で計算される。
   

ほぼ同一の形をしている。ここでdSxはベクトルdSのx座標方向の成分である。

これはn次元として一般化すれば、
 

となる。つまり、表面を探査する際には一つの座標とその表面のベクトルのその座標方向の成分の測定だけで充分である。

任意の一方向だけで十分なのは物体の面積や体積は回転しても変わらない、という事実と結びついている。特に3次元物体Vについてのこの計算方法は浮力の原理と同じである。面ベクトルdSが液体から受ける圧力に相当し、その圧力は物体の面に垂直な方向で大きさは座標位置xに比例する。そして物体が受ける浮力は物体の姿勢によらず一定である。このことが座標選択が任意であることに対応している。

通常の直交座標を考えると、   
となる。これはどんな方向でも面積・体積が一定であることによる。よって、一般にn次元物体の体積は、その表面のベクトルを用いて、
 
となることが分かる。

4次元物体の形は想像がつかないが、その表面は3次元物体である。この式が示すのは4次元物体でもその表面である3次元物体をつぶさに測定することで4次元物体の体積が求められる、ということである。勿論、こういうほど簡単ではないが。

続いてこの表面探査の結果を活用する例を2つ示す。1つは断面積Lである。物体の断面積は当然、見る方向によって異なる。その視線の方向ベクトルをAとする。

     
    
物体の断面積は当然、見る方向によって異なる。方向ベクトルをAとする。この時の断面積Lは、それぞれ、

    
という同じ形になる。こうしてn次元物体の断面積Lnは、
 

となることが予想される。

もう一つは視野角θである。座標原点から見た場合と定義する。これが人の視点からみた印象的な大きさとなる。  

        

     
これについては、
 

となる。n次元について一般化すると、
 

となるであろう。以上示したように表面の探査は物体を理解するために非常に有効である。結果を表面探査定理として整理しておく。 

 

 

渚のヒート・ウェイブ

灼熱の日差し浴びながら
真夏のビーチ降り立てば
みんなの視線を独り占め
海もお日様も手を振るの

天気予報がなんていったって
私の耳にとどかない
気温はあがりつづけるの
私はヒート・ウェイブ


砂の上ステップを踏めば
どよめきの輪が広がるの
渚のきらめきの真ん中で
私の夏は終わらない

天気予報がなんていったって
私がいれば大丈夫
低気圧だって逃げて行く
私はヒート・ウェイブ

渚のヒート・ウェイブ!

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