子供が算数のツルカメ算を教えてくれと言ってきた。ツルとカメが合計で10匹、脚の数が合計で30本、ツルとカメはそれぞれ何匹か?という例の問題である。
-どこが分からないの?
-10匹ともツルさんだとすると脚の数は20本。あと10本足りないからツルさんをカメさんに置き換えて2本ずつ増えると置き換えは5回、だからカメさんは5匹、というんだけど、この置き換えというのがよく分からない。置き換えるってどこからカメさんがやってくるの?置き換えられたツルさんはどこへ行くの?元々、ツルさんもカメさんも数は決まっているんでしょ。
うん。一理ある。
-じゃあ、こうしてみたらどうだろう。すべてのカメの脚を2本切る。
-かわいそう。
-想像の世界の話だよ。考えようによっては置き換えるほうがもっと残酷かもしれないでしょ。
-うん。
-すると10匹全部脚は2本になるので脚の数は全部で20本。元々30本あったのが10本減ったのはカメが2本ずつ減ったからなので、カメは5匹。
-うん、それならばわかる。ありがとう。
翌日、子供はうかぬ顔で帰ってきた。
-動物の脚を切ってはいけないって。
-そうか。じゃあ、こうしよう。すべてのツルに脚を2本加える手術をする。すると10匹全部が4本脚になるので脚の数は合計40本。30本から増えた10本は・・・
-もう、いい。