京都よ
古代からの日本人の心のふるさとよ
優しい響きで私を誘ってやまぬものよ
私はお前に出会うのだ
刹那なりともお前と同化するのだ
すべてを見せてほしい
そして私の第2のふるさととして
私を励ましてほしいのだ
古代建造物の歴史の香りにも
舞妓たちの脂粉の香りにも
私に目を開いてくれなくともよい
笑顔で迎えてくれなくともよい
千三百年の沈黙を続けてくれ
私はその中に真の京都を見つけてみせる
そして訪れる別れの日まで
感嘆と好奇と懐旧の念で見続けるであろう
私はお前に包まれてもう一度生まれ変わるのだ
『福島青春焦燥詩集('75~'80)』より