★Beat Angels

サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

My Love

時を告げる鐘が丘に響けば
鳥たちは羽広げ大空へ飛び立つ

舗道に伸びていく街路樹の影
恋しさにつまづいて泣いてた私はだれ?

振りかえるといつもそばに
愛があるのを知らずにいたの

My Love For You
あなただけに続いているこの愛
もう迷わない


愛される夢だけみていちゃだめね
しかられて気づいたのわがままだった恋に

会えなくても強くなるわ
もっとあなたを愛したいから

My Love For You
胸につのる熱い言葉
あなたに届けたいの

My Love For You
昨日よりも輝いてるわたしを
どうぞ見つけて

 

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エスカレータの段数定理(その2)

前回、同じ速度でエスカレーターを2方向に歩くとき、その歩数がA、Bだったならば、エスカレーターの段数Nは、

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という調和平均で求められることを示した。ここで、歩数A, Bは方向と速さによっては、マイナスの値をとる場合もありうる。

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この定理はエスカレーターや歩く速さに依存しないので、便利である反面、逆にそれがないのでイメージがつかみにくいという御意見も頂戴した。

そこで、速さによって歩数がどのように変化するのかを解析する。ここで、次の速さに関するパラメータを定義する。

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Vはエスカレーターの速さでここでは一定と考える。vはその上を人の歩く速さであり、rが大きいほど、歩く速さが速いことを示す。特にV=vの場合は両者の速さが等しい場合になる。

このrを用いてA、Bは次のように記述される。

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これをグラフ化すると下図のようになる。

 

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以下、上りのエスカレーターの場合で、Aが上りの歩数、Bが下りの歩数として、rの値に応じたA、Bの値の概要を説明する。

人がほぼ止まっているか、もしくはそれに比べたエスカレーターが超高速の場合、上り下りともほぼ歩数A、Bは0となる。

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歩く速さvが少しずつ速くなってくるが、まだエスカレーターの速さVには届かない場合、下りの歩数Bはマイナスの数である。つまり下ることはできない。

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やがて歩く速さがエスカレーターと等しくなる。この時、下り方向はいくら歩いても反対側には到達できず、Bは無限大、あるいは無限小となる。この時、上りの歩数Aは、エスカレーターの段数Nのちょうど半分、つまり、上りについては人、エスカレーターが半分ずつ協力する、という形である。

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歩く速さvがエスカレーターの速さVを超えると、Bが正の数となり、下って降りることができるようになる。vが速くなればなるほどその歩数は小さくなる。

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vがさらに大きくなるに従って、A、BともNに近づいていく。この状態はエスカレーターが停止した場合(V=0)と同様である。

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さて、以上説明してきたこのグラフは、V=vのところで、下りの歩数Bの値が大きく跳躍するが、実際問題としてこの跳躍は差がなく、同一事象(永遠に上りエスカレーターを下り続ける)に対応しており、連続であると考えるのが分かりやすい。そこでA、Bの逆数に相当する次のパラメータα、βを導入する。


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これらをrと用いて表すと、

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となる、これを表すと下図となる。

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説明は前のグラフと同じなので省略する。


フェリーの怪

先日、友人たちと房総に小旅行をして、フェリーで東京湾を往復した。

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そこで体験した不思議な出来事である。

それは帰りのフェリーでのことだった。房総発のフェリーは最終便で夜7時過ぎに出発だったので待合室の乗客もまばらだった。それもそのはずその日は平日だった。ゴルフバッグを抱えた比較的年配のグループが何組かいる程度だった。

やがて出発のアナウンスが流れて私たちは乗船した。フェリーは1階が駐車場、2階は半分が室内のソファールームで、半分は吹きさらしの中にテーブルが並んでいる。3階は甲板にテーブルがいくつか並んでいるという構造だった。


フェリーが動き出し始めると、私たちは3階の甲板にあがって東京湾の風に吹かれながら乗船場が遠ざかるのを眺めていた。

 

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あたりはすでに暗く、甲板には私たち以外は誰もいなかった。やがて船着場は遠く見えなくなり、暮れかかった空には房総の山々の稜線がぼんやりと浮き上がっていた。少し寒くなってきたので私たちは2階のテーブル席に移ることにした。

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テーブル席は吹きさらしだったので私たちのほかに乗客はいなかった。大半の乗客は仕切られて温かい船室のソファーでくつろいているのである。


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友人の一人が缶ビールとつまみを買ってきたので私たちはそこで飲み交わし、その日の旅のことを語り合っていた。外はすでに暗く、湾内の遠いコンビナートの灯りが小さく見え始めていた。


フェリーが航路の半分まで差し掛かったときのことだった。突然、天井からガンガンガンと何かが駆け抜けるような大きな音がした。最初は船の前方から後方へ、その次は場所を変えて後方から前方へ、である。よく聞いてみると同時に数箇所から音がする。それはまるで幾人かが甲板ではしゃいで走り回っているようだった。でも人の声は聞こえない。しばらくそれが続いたが、やがて止まった。

ー子供達かな。鬼ごっこでもしてるのかな。

だれかが言う。

ーおれたちはが甲板を降りたときには誰もいなかったな。
ー子供にしては音が大きいな。誰か、見てこいよ。
ー誰もいなかったりして・・・お前見てこいよ。
ーいやよ。

連れの女性がそう答えた。

一人が意を決して3階へと昇っていったが、すぐに戻ってきてぽつりといった。

ー誰もいなかった。

私は手にしていたビールの缶が急に冷たくなったように感じた。不意に風が吹き抜けていく。誰かが、

ー子供たちが別な階段から下りたんだよ。


と言った。私たちは話題を変えようとしたが、そのことが気になって次第に口数は減って入った。それから二度と階上の音は聞こえなかった。

フェリーの中にアナウンスが流れ、目指す対岸に到着が近いことを知らせた。私たちは帰り仕度を終えて出口に向かうとそこにはすでに列ができていた。ゴルフバッグを抱えた大人ばかりだ。子供が一人もいないことはすぐに分かった。その日は平日なのだからあたりまえのことだった。

私たちは列の最後尾に並んだ。一番後ろに並んだ連れの女性が一人がポツリと独り言を言うのが耳に入った。

ーそういえばさっきのあの駆け回るような音、子供の走る速さじゃなかったな。大人にしたって速すぎ。

朝の物語

窓に朝の寒さが
貼りついている日曜日
天使のような
君の髪の毛なでるさ

ママのことは頼むよ
君はパパの代わりさ
すぐに手紙を書くから
いいかい?

言い残すことは何もないから
僕は行く


ドアを開けたら風に
倒れた青い自転車が
夜露に濡れて
君の目覚めを待っている

早く起きてペダルを踏んで
パパを追い抜け
いつもどこかでみてるさ
いいかい?

思い出すことは楽しげな君
それだけさ

Angel・・・
Sweet Angel・・・



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エスカレーターの段数定理

アトランタ空港ですごく長いエスカレーターに乗ったよ。世界一じゃないかな。

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-へえ、何段くらいあるの?
-ざっと100m以上はあったなあ。
-だから、何段だったの?
-そんなのわからないよ。測ってないし。
-歩いて登って歩数を数えたらだいたいわかるでしょ。
-そんなことしたってエスカレーターも勝手に動くんだからだめだよ。
-そうだね。エスカレーター自体や歩く速さも測定しないといけないだろうからそれは大変だ。
-誰かに掛け合って一度止めてもらってから歩いて数えるしかないかな。


さて、動くエスカレータを歩いてその歩数を測るだけで、エスカレーターの段数を求める方法はないだろうか。


エスカレーターの段数定理

エスカレーターを2方向で歩き、端から端までの歩数を数える。ここでエスカレーターに対して歩く速さは2方向で一定とする。

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計測した歩数をA、Bとすると、エスカレーターの段数Nは、

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または、

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で求められる。つまり段数Nは歩数A、Bの調和平均となる。



この定理はエスカレーターの速度や歩く速度には依存せず、歩数のカウントだけで段数が求められることが特徴である。

2方向に一定の速度で歩く、ということがちょっと気になるところであろう。普通、エスカレーターを逆向きに歩く場合はうまく進めないのでいつもよりも速く歩いてしまうのが人間の心理である。極端な話として、エスカレーターの速さが歩く速さよりも大きい場合は、一方向には何歩歩こうが決して到達できない。しかしこの定理はちょっとした工夫によってその場合も含めて成り立つのである。焦ることなく一定の速度で歩いてくれさえすればいいのである。


以下、定理を証明する。

エスカレーターの速度をV、それに対して、人が歩く速度をvとする。Vとvの大小関係で場合分けする

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逆走してもいつかは乗り切ることができる場合である。

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人がエスカレーターを乗り切る時間を人、エスカレーターの二つ立場で記述してそれらが等しいという条件により次の2式が成り立つ。

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これらは辺々を割ることで、V、vが消去される。

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これを整理することで、定理で述べた調和平均の式が導かれる。

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この場合、逆向きに進んだ時、目的地には決して到達できない。そこで無理をせず、目的地側に回ってそこからから歩き始める。このとき向きは変えないので、人はまるでムーンウォークのように後退しながらやがて出発点まで戻ってくる。そこまでの歩数を数える。 

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この場合の歩数はマイナスの数であると定義すれば、前の場合と同じ数式が成り立つ。この歩数の数え方を採用することで定理は一般的に成り立つことが示された。

のぼりのエスカレータでいくつか具体例を示す。

例1:上りが10歩、下りが40歩の場合、段数は16段である。
例2:上りが10歩、下りが90歩の場合、段数は18段である。
例3:上りが10歩、下りが無限大の場合、段数は20段である。
   これはエスカレーターと歩く速さが等しい場合である。
例4:上りが10歩、下りが10歩と等しい場合、段数は10段である。
   この場合、エスカレータは止まっている、もしくは人が超高速である。
例5:上りが10歩、下りがー20歩の場合、段数は40段である。
例6:上りが10歩、下りがー110歩の場合、段数は22段である。
例7:上りが10歩、下りがマイナス無限大の場合、段数は20段である。
   これは例3の場合と同じである。

注:本件はあくまで思考実験である。実際に行うと危険と迷惑が伴うのでご遠慮願いたい。

ルール改正対応パッティング必勝法


2019年からゴルフのルールが改正となった。

改正内容のひとつに、グリーン上でピンを抜かずにパットができる、というものがある。

 

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しかし、毎度毎度パットのたびに抜くか抜かないか考えるのも面倒だし、プレイヤーごとに意見が異なると誰かがピンを入れたり抜いたりするのにも手間も時間もかかる。

そこでどちらが有利なのか、さっさと決めてしまいたい。それが本稿の目的である。

各種パラメータを次の通りとする。

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x座標はホールの中心からのボールのずれを示す。ボールがホールの中心に向かう時、つまり一番ホールインしやすい場合をx=0とする。Rはホールの半径、rはボールの半径であり、それぞれの代表的な値は、

 R= 54mm
 r=  21mm

である。xが-54~+54mmの範囲を超えるとボールはホールインしない。この範囲に入った場合でも、速度Vが強すぎてもやはりだめである。ということはホールインするためには、x,Vの組み合わせでその領域が定められることになる。そこでホールインとなるx,Vの関係を導く。

まずはグリーンが平坦な場合を考える。

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ホールに到達したときの速度をVとする。Vが十分小さければインするが、

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Vが大きすぎると、ボールはホールを飛び越えてしまう。

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つまりVにはインする上限値Vcが存在するということである。

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この境界点はボールがエッジで跳ね返ってちょうど真上に跳ね返る場合である。
この場合の速度Vcを計算する。ボールがホールの中心めがけて到達するとき、つまりx=0の場合を考える。ホールのエッジでの反発係数をβとすると、

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で求められる。xが0でない場合はホールが小さくなることになるので、これをグラフで表すと、

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となる。ボールがホールの中心に向かったときに許容される速度の範囲は最大となる。ちなみにこの曲線は放物線の形である。

次にピンを立てた場合
を考える。ボールはピンにあたるとエッジと同じく反発するが、反発の仕方は本質的に異なる。エッジでの反発がボールに対して上向きの力をかけることに対して、ピンとの衝突ではボールには水平方向の力しか働かない。つまり、ボールの下向きの運動は保存される。これによってボールはピンにあたると入りやすい。この場合のx, Vの組み合わせについては下図の黄色のエリアが追加となり余裕が増えることになる。

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黄色の部分は模式的に描いているが実
にはもっと高いところまで行くと思われる。通常、ピンはがたつきが大きく、反発係数は小さい。ボール衝突時に生じる衝突音はボールの運動エネルギーを減衰させることになりインしやすくなる。直感的には、ホールのエッジ部の反発係数が0.5程度、ピンの反発係数は0.2程度である。

次に、グリーンが平坦でなく、一様の傾斜がある場合を考える。

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A,B,C,Dの4方向を考えて、AからBに向かって下る方向に傾斜があるとする。

まずピンがない場合については、

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となる。C,Dについては平坦な場合と変わらない。下り方向の場合(A)、Vcの値は平坦な場合よりも小さくなる。上り方向の場合(B)、逆にVcの値は大きくなる。斜面でのパターは上り方向の場合に有利である。

次に傾斜がある場合
で、ピンを立てた場合を考える。このときは次の効果を考慮する必要がある。

 

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傾斜に対して横方
向(C)からのパットにおいては、ボールがピンの中心からやや左側に衝突すると、ボールが外に出やすくなる。

A,B,C,Dについてこの効果を下図に示す。

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上り方向の場合(B)では、跳
返ったボールがインしない場合が生じて不利となる。下り方向の場合(A)では逆に速度Vにさらに余裕が加わて有利となる。

以上より、ピンは抜かない方が有利であるが、傾斜がある場合には方向によっては逆効果となる可能性がある、と整理される。

ちなみにゴルフプロの方々におかれては、

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中央のエリアに向かって方向、速度をコントロールできる。こうなればピンがあろがなかろうが関係ない、ということになるであろう。