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★Beat Angels

君がすべきことはただ一つ、ニューヨークへ行くことだ -ジャック・ケルアック

アーカム探訪記(第2回)

 今回泊ったのは、ホーソーン・ホテル。昨晩、片っ端から近くのホテルに電話して部屋が空いていたのがこのホテルであった。フロントで事情を話すと昨日は感謝祭の日で、みんな早めに寝てしまうとのことであった。

 

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 この銅像は、ナサニエル・ホーソーン。近代アメリカを代表する作家。「緋文字」が有名。彼はこのセイラムの出身。像の後ろに見えているのがホーソーン・ホテルである。彼の孫娘がホテルの創始者である。

 ホーソーンの祖先にジョン・ホーソーンというセイラムの判事がいて、あの魔女裁判の判事も務めていたことが分かった。このホテルを選んだの偶然のはずだが、私の頭の中でいろいろな糸がほつれたり、からまり始めたりしているのを感じた。

 私の足は、最初の目的地であるインスマウスに向かった。インスマウスはサチューセッツのエセックス郡に属する港町である。アーカムからベリーポートに向かう街道を途中で外れたところに位置する。1643年ころから建設業、海運業、金の精練などの産業で栄えたが、1848年、謎の伝染病で一夜にして住民の半数以上が死亡、漁場の荒廃とも重なり1920年代までに衰退した。1927年には政府による一斉検挙が行われ、荒廃はさらに進み、ゴーストタウン化した。約1マイル沖には悪魔の岩礁と呼ばれる岩礁があり、一斉検挙の際にアメリカ海軍が潜水艦から魚雷がうちこまれた。この街の住民は邪神ダゴンとその下僕である魚人「深きもの」を信仰し、特異な変容をとげたという記録が残されている。
 セイラム湾を東にいくに従ってムードは一変する。雲行きも怪しい。インスマウスは地図には載っていない。誰もがこの街のことを口にするのを拒んだため、記録から抹殺されたのだ。私はインスマウスはここに違いない、と直観した。

 

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荒地の向こうに金の精錬所の廃墟が見えた。

 

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 金網を飛び越えて中に入り、洗練所に近づいてみる。人気はないが、何か邪悪な怨念があたりに蔓延しているのを感じる。

 

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死に絶えたようなインスマウスの街並み。

 

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 建物はと言えば異教を感じさせるものばかり。人の気配はないが、今でも邪神ダゴンを崇拝しているのだろうか。

 街を歩いていて、誰かに見つめられている、と感じた。視線はこの家の中からだった。恐る恐る近づいてみた。

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そこには信じられないものばかりが並んでいた。正常な精神の者が創造したとは思えない。

 

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鉄骨で作った十字架のキリスト像、He’s watching、何を語りたいのだろうか。
私は心の中で悲鳴に近い声を聞き、足早にインスマウスを立ち去ったのだった。