★Beat Angels

サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

アーカム探訪記(第1回)

 アーカム(Arkham)こと、セイラム(Salem)に到着した。セイラムはボストンの北東20マイルにある港町である。米国のラブクラフトと言う作家が、ここを舞台にアーカムという架空の町を創造した。この町からあの死者の書ネクロノミコンに端を発するクトルゥー神話が生まれたのである。
 今回、Thanks Givingの休日を利用してこの歴史的な町に3日ほど滞在することにした。サンフランシスコ・ボストン便のフライトの遅れで町に到着したのが午後10時過ぎになってしまった。予約していたホテル(Salem Inn)は従業員がもう寝ていていくら呼んでも応対してくれず、仕方なく夜の寝静まった町を別なホテルを探してとぼとぼと歩くはめになった。
 その道すがら、あの魔女裁判が行われたという魔女の家(Witch House)や、無実の罪で絞首刑となった人たちが眠るCharter街墓地の前を図らずも深夜通り過ぎることになったのである。スーツケースをごろごろと転がす音が町中に響き渡っているようで肝を冷やした。
 ようやく見つけたホテルでは明日の準備。持ってきたラブクラフトの全集を斜めに読み返し、パソコンでセイラムの町の地図を見ながら明日からの作戦を立てた。残念なことに明日からの天気予報は雨である。

 

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