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★Beat Angels

君がすべきことはただ一つ、ニューヨークへ行くことだ -ジャック・ケルアック

漱石の洋風かきあげ

旅行・グルメ

 先日、お茶の水に行く用事があり、その帰り道ふと神田にあるこの店を思い出して立ち寄った。学生時代以来であったがちゃんと同じ場所に当時と同じ佇まいでそれはあった。  

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 店の名は松栄亭。創業は1907年、110年の歴史がある。

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ここはかの夏目漱石も通った店。彼が好きでよく注文したのは洋風かきあげ

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 まだ夕食には早い時間なのでお客はまばら。当時から店長は変わっているが黙々と料理するのはあの頃と同じ。伝統的な店の流儀か。同じく洋風かきあげを注文。

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 そしてこれが洋風かきあげ。

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 さて、味の説明は難しい。皆にお勧めしたいか、についても正直微妙である。喩えていうならば文明開化の味がする、とでも言っておこうか。

 

デニーズ1号店

酔狂日記

 アメリカのデニー。日本と同じく全米各地にあるレストランのチェーン店である。写真はサンタクララ市のエルカミーノ街にあるデニーズ。

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 典型的な朝食メニュー。

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 日本と同じくコーヒーは飲み放題。アメリカでのデニーズは白人の客は少なく、決して高級ではない。レストランの格としては中の下くらいであろうか。

 日本でデニーズの一号店が開店したのは1973年。今から44年前。そして記念すべき1号店は東京でも大阪でもなく、横浜駅近くでもない。上大岡という京浜急行線で横浜から10分ほどの郊外の町であった。 

 

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 イトーヨーカドー上大岡店の1階にある。

 このJR(当時の国鉄)でない駅を選んだのは来たるべきマイカー時代を予測したのであろう。その読みは正しく上大岡はその後も順調に発展をつづけ、地下鉄駅も開業して横浜市内有数のショッピングタウン兼ベッドタウンに成長した。

 そして残念なことにこの記念すべき1号店は今年の3月20日をもって閉店の運びとなった。

  

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 最後の日には多数の慣れ親しんだお客さんたちが押し寄せて満席であった。

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 定番メニューであるビーフハンバーグを注文。

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 こうして一つの使命とともに、一つの時代が終わったのである。

 「またお越しくださいませ」

 いつもと同じ挨拶を感慨深く聞き入りながら店を後にしたのであった。

令嬢の数理(その2)

自然

 以前の記事で、

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 という極限が「どんな値でもとることができる」と書いたが「それは本当か?0か1だけなのではないか?」という御質問を頂戴した。そこで実際に任意の値に収束する様子を最も簡単な例を用いて説明する。

 まず次の恒等式を考える。

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 この式の左辺が、

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 という極限操作で、

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 という形になるかを調べてみる。次の関数f(x)を定義すると、  

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 が成り立つ。但し、αの値によって詳細な0への収束の仕方は異なり、 

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 となる。これにより、任意のα(>0)の値に収束させられることが分かる。実際には収束というよりも、xに寄らない定数のままとなるのであるが。

 α=0.5の場合を例としてf(x)の収束の挙動をグラフで示す。f(x)はx=0の極々近傍で急速に"0"に収束する関数である。

 

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  α=0.2、10、100、10^9、などどんな値の場合も同様である。

 参考まで、もう一つの別なアプローチであるが、

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 という関数g(x)を定義して、もう一つの恒等式

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 を考えることでも同様に任意のαに収束させる例を示すことができる。

 ちなみに、ここで登場した二つの関数f(x), g(x)は、次の式が示すように逆関数の関係である。

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TC?

酔狂日記

 とある町の交差点で信号が青になるのを待っていた時、そこにあった赤い看板の一部だけが目に飛び込んできた。

 

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"tc"とはいったい何のことだろうか、とあらためて看板全体をみてみると、

 

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 あ、たばこか、と認識するまで結構時間を要した。

 頭の中ではてっきり”tc”だと信じ切っているので、”tc”で始まる言葉の検索ルーチンが動き出してしまっていた。そこから抜け出してこれがひらがなであると軌道修正するまで結構時間がかかったということである。この検索ルーチンが動いている間、この「」や「」という文字もこれまで地球上で見たことのない不思議な記号のように見えて、つかのまの異世界感を味わうことができた。

6年目の春

酔狂日記 旅行・グルメ

 福島市内を歩いていると駅前と町中の広場にキャンドルの列がありました。 

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 今日は3月11日。6年目の今夜は、犠牲者の方の追悼と復興祈願のキャンドルナイトです。

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 思い思いのメッセージが色鮮やかに描かれています。

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 そして、 

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 強い絆の中できっと福島にも春は必ず訪れます。

小さな春のスケッチ

酔狂日記

 神奈川県内のとある小さな駅の北口に駐輪場の大きな建物がある。その建物の周囲には30センチ幅程度の小さな花壇が設けられている。いつもならば通り過ぎるだけだったが、今朝はちょっと目を奪われて立ち止まった。きっと春のいたずらかもしれない。

 

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 日当たりのわるいところに健気に雑草が生えていてよく見ると小さな白い花も咲いている。こんなところにも小さな春はちゃんと近づいているのだ。看板があって何かを「捨てるな」と書かれている。きっとゴミとか、吸い殻の類だろう。マナーの悪い人はどこにでもいるのだ。近づいてみてみよう。

 

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違うようだ。なにやら難しそうな漢字が書かれている・・・

 

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 鉢植残土!?

xのx乗(最終回)

自然

 このシリーズの締めくくりとして、

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 を複素関数として定義したときに、この関数値が実数となる、あるいは虚数となるxの条件について考察する。

 

■xが実数の場合

 まず、x>0の実数の場合、f(x)が正の実数となるのは自明と考えてよいであろう。x=0の場合のf(0)についても=1、つまり実数となることもわかっている。

 では、xが負の数の場合はどうなるであろうか。

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について考える。複素解析を用いて計算すると、

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 i)αが整数(=n)の場合、

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 となり実数であることが分かる。nが増えるにしたがって正負で振動しながら急速に0に収束していく。

ii) αが整数+1/2(=n+1/2)の場合、

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 となり虚数となる。

iii) i)、ii)以外の場合、f(α)は一般の複素数となる。

 f(x)が実数、もしくは虚数とするxのことを実点虚点と定義する。ここまでの議論により、実数xについて実点、虚点の存在位置を図示したものが下図である。単位円周辺の代表的な点も書き加えている。

 

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 x<0においては、1/2の間隔で実点、虚点がきれいに並ぶ。

 

■xが一般の複素数の場合

 続いてxが一般の複素数の場合に拡張する。そのために、

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という極表示を行う。これに基づきf(x)を計算してみると、

 

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 が得られる。これを同じくf(x)の極表示である、


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 と対応付けすると、(r, θ)→(R, φ)の関数f(x)による変換においては、

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 という関係式が成立する。関数値が実点、虚点の判別のためにはφの式が重要となる。それはnを整数として、

 

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 という対応関係が成り立つからである。

 これを一般的に解くことは難しいので、rのいくつかの具体例でグラフ表示してみる。
r=1/e(~0.37), 1, e(~2.72)の場合を以下に順に示す。

 

i) r=1/e(~0.37)の場合、

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 ここで実点、虚点となるφの条件を記載してグラフとの交点を求めるとそれが実点、虚点に対応する。r=1/eの場合は、実点が2個、虚点が1個だけである。ちなみにθ=0の点はrの値によらず常に実点である。これはf(x)=x^xがx>0の実数に対して常に実数であるという事実に対応している。

 

ii) r=1(つまり単位円)の場合、

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 r=1のとき、実点は5個、虚点は4個である。

 

iii) r=e(~2.72)の場合、

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 r=eのとき、実点が16個、虚点は13個である。

 以上3つの場合について実点、虚点の存在位置を複素平面上で示してみえると下図となる。

 

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 これらはまだrが~2.7と小さい場合だけを選んでいるので、rlogrに対して2πrの方が大きく、点は第4象限に集中する傾向がある。rが大きくなるにつれて、次第にrlogrが支配的となっていき図中に成長エリアと示した部分で実点、虚点が生成されていき、実点、虚点は全体的に均一に分布するようになる。このrの増大に対応した成長エリアの振る舞いを下図に示す。

 

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 このようにして実点、虚点ともに数が増大していく。そしてこの生成過程を重ねることで実点、虚点の数はほぼ同等となっていく。

 

iv) rが非常に大きい場合、

 例えば、

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 などの場合、φの第2項は無視できるので、

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 となり普通のsinカーブに近づいていく。具体例としてr=100,000の場合を図示すると、

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 成長エリアA, Bはそれぞれθ=π/2、3π/2の位置に近づいていく。また実点、虚点の数はrlogrに比例して増加していく。r=100,000の場合の実点、虚点の数はそれぞれ1,500,000個程度である。rの増大に対応して半径rの円周の長さは2πrに比例して増加していくので点密度を荒く見積もると、

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 つまり、logrのオーダで緩やかに増大していく。

 

■まとめ

以上より、複素数に拡張した関数、

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の実点、虚点について以下のことが分かった。

 

(1) x≧0のすべての実数は実点である。
(2)x<0の実数についてはx=-n/2(n:正の整数)の場合だけ実点、虚点となり、
 それらは実数軸上交互に現れる。

(3) 任意のrの複素平面の円周上に実点、虚点は有限個、かつほぼ同数存在する。
(4) rが大きくなるにしたがって実点、虚点の数はO(rlogr)で増加する。
(5) 実点、虚点の数の円周上の線密度はO(logr)で増加していく。