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サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

利久の牛タン定食

 仙台と言えば、牛タンである。1948年(昭和23年)に初めて牛タン専門店ができたのが発祥と言われている。その後、地元に根付き仙台名物として全国的に知られるようになった。定番は牛タン定食。麦ごはん、牛テールスープ、漬物には青唐辛子の南蛮味噌がつくのが特徴。

 そして人気店の一つが「牛タン炭焼き 利久」。

 

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これは、昨年の2月に訪れた時の写真である。その時は定番の「牛タン定食」を注文。

 

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肉厚の牛タンが歯ごたえ、味わいともに絶品。そして今回であるが、

 

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 似ているが少し違う。今回のは、

 

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 ミニチュアの模型である。

 

天使じゃないわ

 

赤い車のホロをはずして
飛ばすハイウェイ星の降る夜ね
胸のピアノをかき鳴らして
風の五線紙に愛をつづるの

いつまでたっても優しすぎるあなた
時にはちょっと乱れてもいいのよ
こんな夜は

大人じゃない子供じゃない微妙な年ごろね
泣きたいほどあなたが好き
もう微笑むだけの天使じゃないわ

海沿いの道、車をとめて
月の浜辺裸足で歩くの
だめね一人ではしゃぐわたし
あなた目を細め遠くで見てる

愛してるってきいても笑うだけ
あなたにとってまだまだ子供なの
しゃくだけれど

大人じゃない子供じゃない微妙な年ごろね
愛されたい確かめたい
あなたの恋人とよばれてみたい
痛いくらい抱きしめてよ
もうかわいいだけの天使じゃないわ

 


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アクアリウムの午後

 

透明なガラスの上に
描く夏の日
水色の絵の具で染めた
雨の水曜日

光の泡と戯れ
魚たちが躍る
胸にしまいきれない
言葉たちのように


夏の余熱を残す本の
ページをめくって
あてもなく思い出をたどる
雨の水曜日
時間も忘れて
忘れて

 

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www.youtube.com

駅のホームから覗く深淵(『バベルの塔』展)

 その晩、私はとある地下鉄の駅のホームにいた。すでに終電に近い時間だったのでホームには2,3人連れの酔客たちが何組かいてその話し声が響いているだけでとても静かだった。その駅のホームにはクリーム色のホームドアが両側に設置されていたのでそれに仕切られたホームはまるで小さなホールのように明るい空間となっていた。私は階段の下にあるホームドアの前で電車を待っていた。
 

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 するとホームの階段から駆け下りてくる一団の気配を感じた。その中には駅員もいる。その一団は私の前のホームドアのところにやって来た。どうやら乗客の一人が何かを線路に落としたらしい。マジックハンドを手にした駅員はポケットから鍵を取り出してホームドア横の上のふたをあけて鍵を回して、手動でホームドアを開けた。駅員は注意深く線路を覗き込んだ後で、財布らしきものを手際よくマジックハンドで拾い上げてそれを乗客に手渡した。乗客は駅員にお礼を言って何かを話しているようだがその間、私は一つだけぽっかりと空いて暗闇が広がるホームドアの扉の前に立っていた。
 
 そこではクリーム色の柵の合間から深い暗闇が広がっている。普段開いてはいけないもの開いている。このままドアが閉じないままの状態で電車が来たらどうなるのか、それはとてつもなく危険なことのように思え私は一人狼狽していた。でも考えてみれば少し前まではホームドアなどは設置されていなかった。となるとその場合はいたるところが危険だったとも言える。でもその時には存在せず、感じなかったはずの闇、そして深淵が今、目の前に確かに出現しているのである。
 
 この深淵の不安、恐怖の根源は何なのかを考えてみた。ホームドアを設置する前にこの深淵がすでにあったともなかったともいえない。しかし安全のために作った柵が、そしてドアが同時にこの深淵を作り出してしまったのである。それは言い方を変えると本能的に安全を追い求める人間の本能がこの深淵を作り出したとも言える。光を求めようとする我々の所業が同時に闇を作り出してしまうとはなんと皮肉なことか。そしてその所業は我々人間の本能に根差すものであるからこれからも止むことはない。つまり、我々人間はずっと自らが作り出す闇におびえ続けていく宿命にある、ということである。そしてさらにたちの悪いことに人間は向上心なる悪徳をも備えていて、いつでもその上を、その先を目指してしまう。こうして愚かしくも人間の悲劇・喜劇は未来永劫拡大していく訳である。
 
 以上がバベルの塔』展に赴き「バベルの塔」の壮大な絵の前で私が抱いたとりとめもなく、愚ともつかない感想である。私が絵を前にして聴いたのは描かれた1,400人もの愚かしくも愛すべき人間たちへの人間賛歌、そして哀歌の声だったのである。
 

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カナディアン・スナイパー

 少々物騒ではあるがこういうニュースが流れた。

www.bbc.com

 カナダスナイパーが3.5km先にいる標的に命中させたという。
 

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 狙撃距離3.5kmは渋谷駅と新宿駅の間の距離に相当する。かの有名なスナイパーゴルゴ13でも最大狙撃距離は2kmと言われているから現実世界はそれをはるかに超えている。当然、弾道は放物線を描くことになるがその途中においてどの程度の高さまで上がるのだろうか。それを計算で求めてみることにした。
 記事によると山岳地帯から狙ったようだがここでは地表から地表に向かって発射する場合を考え、空気抵抗、風の影響などの変動要因は無視するものとする。初速度v0、角度θで発射されたライフルの弾道は、水平、垂直方向の座標をx、yとすると時間tをパラメータとして、
 

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と表される。これらの式から再度地表に戻る時刻とその時の水平距離をt0、x0として解くと、 

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となる。今回の事例では、 

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ということらしいのでこれを代入してv、θの連立方程式として解くと、 

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が得られる。続いて弾道が描く放物線の最大高度を求める。垂直方向の式である。最初に掲げたyの式を変形すると、 

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 となる。第一項はちょうど中間地点で最大の高度となることを示しており、第2項がその時の最大高度y0に対応する。 

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 これを実際の数値で計算すると122mとなる。つまり30階建てのビルの高さに相当する。

 以上を整理すると、このスナイパーは発射速度1,285km/時のライフルを用いて角度7.9度で弾丸を発射、弾丸は5sec後に最大高度122mに達する放物線を描いたのち、発射から10sec後に3.54km先の標的に命中した、ということになる。

 

常磐線特急と黄門弁当

 先日、茨城県勝田市を訪れる用事があり、久しぶりに常磐線の特急電車に乗った。席に座って上を見上げてみると、

 

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 首都圏のローカル線のグリーン車でみかける表示か、と思ったがこちらでは黄色のランプもある。自分の席の上を見てみると、

 

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 自分の席は緑色であった。別にSuikaをかざしたわけではない。座る前からこの緑色であった。ランプは3色である。色の解説は座席前に書かれていた。

 

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 右下のランプの説明を拡大してみる。

 

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 赤色ランプは「終点まで空席」、黄色ランプは「今現在は空席だが先の区間で予約した人が来て座る」という意味である。この表示はあくまで予約状況だけに対応している。赤色ランプの座席に座ると車掌が来て席で指定席チケットを購入、そこで緑色ランプに変わるという仕組みである。逆に事前に座席を予約した人は緑色ランプを目印に自分の座席を探せることになる。

 首都圏を走るグリーン車との違いは座席予約があるかどうか、ということである。この常磐線の座席表示ランプは恐らく最も進んでいるといえるだろう。

 車内販売で「水戸黄門弁当」なる弁当を購入。見目も美しく、かつ美味。堪能しつつ目指す勝田駅へと向かった。

 

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『サージェント・ペパーズ(50周年記念版)』

 発売から50周年を記念して発売。この伝説的なアルバムで各パートの音をクリアに再現したリミックス版。前面にできるべき音がきちんと前面に出て、ちょっとしたギターの指使いとかが鮮明に聞き取れて聞くたびに新しい発見がある。

 

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 このアルバムはもともとコンサート仕立てであった。きちんとオープニング、エンディング、アンコールが用意されている。アルバムタイトル曲のエンディングのリプライズ版で「申し訳ないけど、そろそろ終わりの時間だ」と歌うところがあるが、そこで観客から落胆のため息が漏れるところなどもちゃんと聞きとれた。オリジナルでも同じ趣向だったのだがあまり効果が出ていなかった演出もきちんとクローズアップされている。

 

 そして、これを機会にジオラマも作ってみた。

 

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 製作時間は約3時間であった。