性懲りもなく前回の続きである。縦方向を3から4にしてみたらどうなるだろうか。題意からは大きく外れるが。2列の基本形における敷き詰め方は、
この5通りである。次に横4列(=8畳)の場合はどうなるか。
すべてが横長、すべてが縦長の場合はそれぞれ1通りずつと単純明快なのだが縦横が入り乱れると途端に複雑さを増す。数えてみると36通りである。
さてこれを2n列並べた一般的な場合を考える。
4n枚の畳の敷き詰め方をnの一般式として表すのが目的である。
前回同様の漸化式のアプローチをとる。右端に着目すると次の6パターンが存在する。
それぞれの系列をK、Y、S、T、U、Wという6つの系列で表す。今回求めたいのはこの中のK系列である。図において、×をつけたのは複数のパターンが存在することを示していてその数を系列の係数として表現している。ここまでの考察で、次の漸化式が得られる。
K以外の系列について次の敷き詰め方を注意深く見ていくと、次の漸化式が成り立つことが分かる。
非常に煩雑なので、次の規則を適用する。対称性から明らかに、
が成り立つのでTを消去して整理すると、次の漸化式群が得られる。
あとは根気強くこれらを解いてKだけの漸化式を求める。その結果、
が得られる。この漸化式の特性方程式を解くと、
Kの一般項はこれらのべき乗の線形結合となる。適当な初期条件でこれを解くと、
が得られる。
非常に面倒な計算式なので前回同様に、
解を展開したときに現れる係数a、bを用いることとすると、
という簡単な式が得られる。これによって数列は、次のように求められる。
急速に増大していく。数え上げようと思わない方がいい。
次はさらに縦方向を4を5、6と増やしていきたいところだが手計算で行えるのはここまでが限界で、もっと賢いやり方を考えないとこれ以上は無理である。
最終的に求めたいのは、縦方向、横方向の2次元で一般化したK(n,m)である。ここまでで得られた範囲で書き出してみると下記となる。ここで、畳がきちんと収まらないものは除外している。当然のことだが、n、mについては交換しても値は同一になる。また、2行目、2列目にはおなじみのフィボナッチ数列が登場する。
現時点ではこれを眺めてみても何も見えてこない。