前回に引き続き3n畳間を畳で敷き詰める場合の数の話である。
nに対応した場合の数を
としてその数列の一杯式を求める。
全体を俯瞰しても答えが見つかりそうもないので、端からかいつまんで考えてみる。
まずは、最後にきれいに2列分空いている場合である。
この場合は、最後の3畳分は、次の3通りが存在し、残りの部分の組み合わせは、n-1に対応したものに等しく、最後の部分には次の3通りが存在する。
残りの部分の組み合わせは、n-1に対応したものに等しく、最後の部分には次の3通りが存在する。
次に最後がこのようにきれいな2列にならない場合は、次の2つのパターンがあり、それらはKでは表現できないのでそれぞれU、Lと呼ぶ。
以上より、次の漸化式が成立する。
U、Lについては対称性から、
となることは容易に想像がつくので、
となる。次にUを考える。また端の部分に着目すると下記となる。
よって、
以上より、神田川数列は次の連立漸化式に従う。
これらよりUを消去すると、
が得られる。この解法はテクニカルになるのであまり説明はしないが、次の2次方程式、
そしてその解、
のそれぞれのn乗の線形結合で求められることが分かっている。初期値を使って、
となる。この第2項は小さいことから(<0.1)第1項のみの四捨五入で、
となる。
この数列には次の不思議な特徴があることが考察の過程で分かった。
と表すと、
となることも容易に示される。これらを用いてKを計算すると次のシンプルな式が得られる。
これは次のような手順でK数列を求めることができることを示している。
この計算手順が、畳を敷き詰めるという行為とどういう関係にあるのかは定かでない。
もう一つの特徴である。数列Kを実際に書き並べてみると、
である。何か気が付くことはないか。
すべて奇数であること。そして下一桁に現れる数字がのが1か3であること。
それだけではない。
このように3の周期をもっているように見える。n=30まで確かめたが正しいかった。この予想が正しいとすれば、畳を敷き詰める問題が10進法表記上のルールを持つことになり、非常に興味深い。