せんべい汁のフィギュア。鍋の直径は2cmほどである。
7種類のフィギュアをすべて手にいれるまでに必要な回数の期待値を計算する。ここでそれぞれが出てくる確率は1/7で等しいものとする。
r回目めにn個が初めてそろう確率ΔPが求められれば、期待回数Eは次の式で計算できる。
しかし、ΔPの計算は難しそうなので、r回までにそろう確率Pを求めて、(r-1)回までの確率を差し引くことで計算することとした。
r回まででr個すべてを含む順列の数をSとすればPは、
で求められる。Sを具体的に求めると、
などである。一般的の場合で確率Pを求めると、
となる。これを使って期待値Eを計算した結果を以下に示す。
どうにも規則が見つからない。今回の問題のn=7の場合は、
となる。一般の場合で計算してみる。
途中の過程は煩雑なので省略するが、結果的に、
となる。さらに計算を進めると、
というすっきりとした形に変換できた。途中過程で使った恒等式をメモとして記載しておく。
後者は、パスカルの3角形の特徴であるが、
1から始まる斜めのラインで合計した値がすぐ斜め下に登場するというものである。これは3角形内すべての場所で成り立つ。
さて、今回得られた式をn=7の場合で確かめてみると前の複雑な級数計算と同じ結果が簡単に得られた。最初からこの式が得られれば面倒な計算をすることがなかったのだが。
この式の形をじっと眺めてみる。すると、次のアプローチが成立することが分かった。
まず、1回目のトライをする。いずれか1つが手に入る。2回目以降で1回目と違うものが得られる確率は6/7である。一般に確率pの事象が発生するまでの期待回数はpの逆数(1/p)になるので、2個目が手にはいる回数は7/6である。続いて3個目が手に入るまでの回数は7/5、こうして7個目が手に入る回数までの総数を計算すると、
と計算できるのである。