一般に一辺の長さがnのd次元の立方体は、
で記述される。これを一辺の長さn+1に拡張すると、結果的に
に拡張される。この拡張により立方体の体積は、
だけ増加する。この多項式の順番に従って各要素を追加していくことを考える。この過程で追加される座標は、
で表される。このd個の座標をn+1の登場有無に従って2つのグループに分けて、次のように追加操作を記号で表現する。
分母の追加位置Pは、要素を追加する位置を示し、
である。特にd=p、m=0の場合については、
と記述する。d個の中からp個が選ばれる総数は、
なので、すべての追加される要素の体積の総和を計算してみると、
となっている。
以下、1~4次元での拡張の手順を本操作記号を用いて説明する。
■1次元
この場合は「角」が追加されるだけである。
■2次元
1次元の列が二つ、そして角が追加される。
■3次元
3つの平面、3つの列、そして最後に角が追加されて完成する。
■4次元
問題の4次元である。x、y、zの3軸にw軸が追加される。当然、厳密に表現することは難しいのでn=3の場合のイメージとして示す。まずはスタート地点。ちょっと長くなるが。
まずは立方体を追加するが、x軸方向に追加する場合はこれ。平面がw軸方向に重なる。y、z軸の場合も同様である。
w軸方向についてはちょっと異なり、w=4の場所に立方体が出現する。
これらは違う形に見えるが、4次元の住人からみると等しく立方体である。4つの立方体を追加するとこうなる。
続いて平面を追加する。まずは(x、y)方向に追加した場合。列がw軸方向に並ぶ。(y、z)方向、(z、x)方向も同様。
w軸がからむ3つの方向についてはw=4の場所で平面が追加される。下記は(w、x)方向の例。
6つの平面が追加したものが下記。
続いて列を追加する。4つまとめて追加したものが下図。こうして残るは一か所のみとなる。
最後に残った角を追加。
これにて拡張は完了。以上に示した通り、
これがすべての次元で最後に登場する「角」の正体である。