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サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

アポロ宇宙船の推進力(付録)



前回までで、均一な媒質の中で表面から一定の圧力を受ける任意の形状の物体に対しては、圧力の合計の力ならびに並びに物体を回転させる力はゼロとなることを説明した。

しかし、実際問題として
地上では重力が存在するので圧力Pは均一ではない。ここではその重力の影響について計算してみる。

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について前回まではPは一定だとして積分の外にくくりだして容易に計算が進められたのだが、重力の影響によりPは空間位置の関数となりそう単純にはいかない。

重力の影響によってPは、

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z軸方向、つまり深さ方向で変化する。ここでρは媒質の密度である。これを用いて推進力Fを計算する。x、y、zの3軸の方向別に計算する。

まず、x軸方向だが、

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と、0になる。同様にして、

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が得られる。さて問題のz軸方向だが、

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となる。ここで、

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とした。ここでは物体の質量ではなく、物体と同じ体積を持つ媒質の質量であることに注意を要する。

以上を整理すると、

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というシンプルな結果が得られる。これはアルキメデスの浮力の原理に他ならない。