引き続いて、2次元(折り紙)の場合の説明である。
元の折り紙をxy平面と定義し、折り紙を長さ1の正方形であるとする。切断したり、穴をあけたりしなければ折り曲げ方は自由である。ただし、折り曲げた結果は元の範囲をはみ出さないこととする。
折り紙上の任意の点Aに対応した折り曲げた折り紙上の点をBとし、さらに点Bからxy平面に下した点をCとする。点Aと点Cの対応関係を関数f、gとして定義する。
ここで、今回の問題は、
となる点(x0,y0)が少なくとも一つ存在することを証明することである。
このことは、一次元(針金)の場合と同様にして、
という関数F,Gを定義すると、
となる点(x0, y0)が存在するということになる。
まず関数F,Gの折り紙の周辺の点でどうなるかを考える。関数F,Gはすべての点で、
が成り立つので、
となる。それぞれx、yを0から1まで動かす時にどこかで正負の符号が反転する。よって、前回の針金の場合と同じようにして、任意のy(0~1)について、
となるx1が存在し、任意のx(0~1)について
となるy1が存在することになる。これをグラフとして表すと、
となる。二つのグラフ(青色、赤色)は折り曲げの仕方によって様々な形となるが、折り曲げ方の条件から途中で途切れることはないので、少なくとも一点で交差することは確かである。この交差する点(緑色)の一つを(x0、y0)とすると、
が成り立つ。これにより2次元(折り紙)の場合が証明された。
3次元の場合(風)についても同じ流れで証明できる。この場合、4次元で考える必要が出てくるので図解することは容易ではないが、証明の最終段においては3枚の曲面の交点として動かない点(無風地点)があることが導びかれる。