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影を慕いて(解決編)

 空中で円軌道を描く太陽が作る影の軌跡の問題の解答である。

 

 

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 太陽の円軌道を、中心X0、半径R、法線ベクトルNにて規定する。すると太陽の軌道(位置ベクトル)Xは、

    | XX0 | = R   ・・・①
    (XX0, N) = 0   ・・・②

連立方程式で与えられる。前者が球、後者がそれを切断して円を与える平面である。太陽の円周上の点Xの影はxy平面状の点X'に影として射影される。

先に円周上の点Xの影、すなわちxy平面への写像を座標を使って求めておくと、

   x' = x / 1 - z
      y' = y / 1 - z

 となる。 ここで計算の容易化のために、円の高度zは"1"に比べて十分高い部分について影の曲線を議論する方針とする。

  x' = - x / z
  y' = - y / z

逆変換を求めておくと(実際に使用するのはこちら)、

  x = - x' z    ・・・・・③
     y = - y' z    ・・・・・④

 

①②について、具体的に座標を使って計算して、③④を使うと下記の影の方程式が得られる。

 

【影の方程式】
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 zの式を第1式に代入することにより、(x,y)の方程式が得られ、それが求める曲線となる。この通り、単純に曲線の種類を論じることは難しいので、前回の問題に対応したここのケース別に各種パラメータの条件を入力してケースごとに曲線を求めていく方針とする。 

  先に述べた5つのケースについてパラメータの条件を下表に示す。

          表   問題別各種パラメータ条件表
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   f:id:taamori1229:20160623215806p:plain

  

 この場合は、結果だけ示すと下記となる。

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 これはまさしく正円である。中心は(0,0)、半径は太陽円周の高さ(z0)が高ければ高いほど影の円は比例して小さくなる。

 

続いて普通のトンビと地表をかすめるケースを一緒に取り扱う。

 

 

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 問題2においては太陽の円の中心の高さZ0を一般的に扱い、問題3は特にこのZ0がRに等しい特別な場合である。

 問題2の解は、下記となる。

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 ここで問題2のケースは次のように標準の楕円の形に変換できる。

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 xの2乗、yの2乗の係数が異なっており、これは楕円の方程式である。前の式でZ0=Rとした場合が、トンビが地表をかすめるケースに対応し、この場合の方程式は、

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 という放物線となる。 

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 問題4では円の中心が座標の中心からx0だけずれているとして取り扱う。問題5(春分の日)は特にx0=0の特別な場合、に対応する。

 問題4の一般解は、

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 となる。この形式はx^2 - y^2形式の双曲線である。xy平面上で-45度など回転させると、xy=Cなどのなじみの双曲線の形式が得られるだろう。そして最後に問題5の春分の日のケースに対してはこの式に、x0=0を代入しみる。すると結果は、

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となり直線となることが分かる。