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駄菓子屋紀行(第5回)~ブリキ製のポンポン丸~

 近所の百貨店で駄菓子屋と駄玩具の催しがあり、懐かしい『ポンポン丸』を買ってきました。ロウソクの炎で走る小さなブリキ製のタグボートです。ブリキの質感が素敵です。

 

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 船尾の底についている二本の管に前もってストローで水を注入し、タンクに水をためておきます。そしてそのタンクの下にロウソクを置き、その炎をあてて熱するとタンクの水が沸騰して「タン、タン、タン」と歯切れのよい音がして勢いよく水を吐き出して進みます。この「タン、タン、タン」というはまさしくワットの蒸気機関の音です。

 ブリキの玩具はあの独特の印刷のキッチュな色彩とつるつるとした感触とややずっしりした高級感が魅力です。幼いころ、ブリキの玩具が壊れて真っ二つに割れたことがあるのですがそのとき、ブリキの裏側を見ることができました。そこには英文字のジュースの名前がありました。つまり昔はアメリカから払い下げた空き缶を材料にして作っていたのでしょう。

 ブリキの玩具はこの船だけでなく、おなじみ金魚のじょうろとか、自動車、列車などもあり、さらに単独の乗り物でなくトンネルを抜ける列車などパノラマ的なものもありました。ブリキは一見、頑丈そうに見えるのですが実はさびやすい上に、嵌合部のツメが壊れやすく船ならばすぐに浸水してしまいます。そしてブリキの玩具はもっとコストの安いプラスチックの玩具に取って代わられ、廃れていきました。

 最後にポンポン丸の動作原理説明図を載せておきます。 

 

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 実際に40年以上前に購入した船の写真はこれ。

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 すっかり錆び付いてはいるがエンジン部分に損傷はない。