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サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

懐中時計展

 町田市立博物館に懐中時計展を見に行ってきた。

魅惑の小宇宙!懐中時計展/町田市ホームページ

 

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 閑静な住宅地にある小さな博物館。常設展もない。今回は博物館が保有している100個余りの懐中時計を展示していた。ちなみに館内のカメラ撮影は許可されている。

 一番歴史のある時計はこれである。1700年頃のフランス製。

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 当時は時計の精度がひどかったので、分針を使う意味がなかった。よって時針しかない。

 その後分針が登場してからのオーソドックスな懐中時計。まずは19世紀のイギリス。

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  20世紀前半、イギリス。

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 19世紀、イギリス。

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 さてこれらの時計を眺めて気が付くことがないか?

 数字の4に注目。ローマ数字のⅣが違っている。一説によると当時の国王(XXX5世)がⅣをみて作り直させたらしい。5から1を引くとは何事か、と。

 さて、今でもそうだが、時計は内部のメカ構造が美しいのでそれをスケルトンとしてデザイン化した時計は当時からあった。 

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そして、さらにそれを発展させたものがこちら。

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 どちらもキューピッドが左右に二人彫り込まれている。ある時間になると鐘をつく動作をして実際に音が鳴るという優れものである。

 もう少し時代が進むと機能面で進歩がみられるようになる。まずは、カレンダー表示。

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2つの時計として使えるタイプ。

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そして3つ・・・。

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 そして針がなく、数字だけを表示するタイプ。これが現代のデジタル表示につながったのであろう。 

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 そして懐中時計は高級な装飾が施される。まずは風景画から。

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まずはこのような牧歌的なテーマから始まったのであろう。しかし、自然な流れで美女がテーマとなっていく。

 

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 はじめはこのように風景画の延長とも見て取れるが、やがてもっと細密な肖像画に代わっていく。エナメルの色彩が今でも色あせずに美しい。

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 これがひと段落すると、

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 こういう流れが始まり・・・

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 そして・・・

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 こういう流れになるのである。

 さて日本における懐中時計はというと戦後から。これが日本精工舎(現在のSEIKO)による国産懐中時計である。赤字などは捺印であろうか、手作りのぬくもりが伝わってくるようだ。

 

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