1992-02-26 少女 詩集 南に向いた扉から果てしなき海原が広がり午後の日差しが照り返して部屋の中には光が乱舞している少女は扉のそばのベッドに歩み寄るとよく洗濯された白いシーツの上にそっと片膝をおとす少女は家霊の潜む暗闇の中から這い出してきたばかりなのだ誘惑の手はあくまで白くこれ以上まぶしい裸にはなれない見はるかす彼方には茫々たる海が広がっていて少女は移し身への恥じらいにふさふさとした前髪でわけもなく顔を隠している