★Beat Angels

サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

自然

セールスマン勧誘問題とその応用

ある区域でセールスマンが営業活動を開始した。勧誘の結果、成約に至るとその契約した者もセールスマンとして同じように営業を開始する。これを繰り返すことでその区域の加入者数はどんどん増えていく。いわゆるねずみ講の原理である。 このときの加入者数の…

マー君と無重力マッサージ

先日、出張の折に空港のロビーでこんなものを見つけた。 マッサージチェアが2台並んでいて「無重力マッサージ」と書かれた看板がおいてある。1回の時間は15分、料金は300円とのこと。長旅の前だったのでやっておこうかと思ったがあいにく2台とも使用…

3次元空間における回転行列

2次元平面である点を原点を中心に角度θだけ回転させる。 この時の座標の変換は次の行列Rで記述されることはよく知られている。 これを3次元に拡張する。3次元の場合は回転する方向が自由に選べるので回転軸を定義する必要がある。いきなり3次元の話を始…

スカイツリーに向かって

先日、北千住駅から東武伊勢崎線に乗って、東京スカイツリーに向かった。出発したときには電車の進行方向にまっすぐツリーが見えていたのだがやがて電車は大きく左に迂回してツリーは電車の右の窓の方向に移動した。一向に近づているような気がしない。一体…

柿の実定理

今年の柿は不作だった。第一の原因は、夏場に雨天が続いて十分な日照時間が確保できなかったことである。さらに追い打ちをかけたのが台風19号である。熟した実が暴風雨を受けて一夜でたくさん振り落とされてしまった。それでもけなげに耐え抜いてくれたの…

みちのくフィギュアみやげ(補遺)

前回、n種類のフィギュアをランダムにr個購入したときの順列の中でn種類がすべて含まれる順列の数は、 であることを説明した。これのn=2,3,4の場合の具体的な式は、 であり、大変分かりにくい。これを数表として書いてみると、 これを眺めて、何ら…

みちのくフィギュアみやげ(続き)

せんべい汁のフィギュア。鍋の直径は2cmほどである。 7種類のフィギュアをすべて手にいれるまでに必要な回数の期待値を計算する。ここでそれぞれが出てくる確率は1/7で等しいものとする。r回目めにn個が初めてそろう確率ΔPが求められれば、期待回数Eは…

みちのくフィギュアみやげ

墓参りの旅の道すがら、みちのくの駅売店でこれをみつけた。 第3弾だそうである。 1個500円と高価だが、なかなか精巧にできていて気に入っている。 フィギュアは7種類。左上から、中尊寺金色堂、花笠踊り、三春駒、かまくら、三陸鉄道、松島の日の出、…

4次元超立方体の角(その2)

一般に一辺の長さがnのd次元の立方体は、 で記述される。これを一辺の長さn+1に拡張すると、結果的に に拡張される。この拡張により立方体の体積は、 だけ増加する。この多項式の順番に従って各要素を追加していくことを考える。この過程で追加される座…

4次元超立方体の角(その1)

n個の列に1つを加えてn+1個の列にする。 これは式で表せば、 ということだ。ではnxnの2次元の平面をn+1に拡張する場合はどうなるか。まず、2つの方向に列を加える。 すると、角に1つ分だけ欠けた部分が登場するのでそこに1つを追加する。 こ…

九九のこと

掛け算の「九九」はなぜ「九九」というか。それは最後が9x9で終わるから。そうかもしれない。でも、そうでないかも知れない、と思いついて昔の子供向けの算数の教科書を調べてみた。すると、これが見つかった。 時は平安時代、源為憲による『口遊(くちす…

マリオはリオに(その3)

前回までマリオの描く軌道の方程式として、 が得られた。この2次形式で表された曲線の形状を決めるのは次の行列式Δである。マリオの軌道は、Δ=0の場合は放物線あるいは直線であり、Δ≠0の場合は円または楕円となる。それぞれの場合で具体的な軌道を計算す…

マリオはリオに(その2)

前回は①東京・リオ間に直線の土管を掘った場合、②地表すれすれを脱出速度ギリギリでマリオを発射した場合の2つのケースでその運動と到達時間を計算したが、今回はそれをさらに一般化してみる。 このようにある中心から距離に比例する力Fが中心に向かって働…

マリオはリオに

リオ五輪の閉会式で東京から土管を掘ってマリオが登場。 www.youtube.com もしも、東京から地球の反対側のリオまで土管が掘れたとして、マリオが東京から土管に飛び込んだとき、マリオはどのような運動となるか、リオまで到達できるのか、その場合、時間はど…

夏期講習:拡張接平面定理

一般に球を平面で切断するとそこに円の形が現れる。 この球上の円に対して次の点を円の頂点と定義する。頂点とはその点と球上の円と結んだ直線がすべて球に接する、というものである。球にすっぽりとかぶせる三角帽のようなイメージである。 球面の方程式を…

夏期講習:拡張接線定理

生徒A:それでは、今回が最終講義です。これまで円の場合で説明しましたが、今回は放物線の場合の例を説明し、その後一般的に証明してみます。 生徒A:まずは普通の接線がこれです。 生徒A:点Aが放物線の外側にある場合はこうなります。 生徒A:点Aが放物線…

夏期講習:接点を通る直線2

生徒A:それでは前回の詳細な説明をします。はじめに問題を整理します。 生徒A:点Aの場所は円との位置関係によって次の3通りに分類できます。 生徒A:今回証明したいのは、この3つの場合の方程式が、 となることです。それではそれぞれの場合で考えてみま…

夏期講習:接点を通る直線1

先生:今度の問題は、円の接線の方程式を求める問題だ。次のように原点を中心とした半径1の円の円周上の点Aに接線を引く。 先生:このときの接線の方程式はどうなるか。知っている人はいるかな?生徒B:はい!先生:お、B君、答えてみなさい。生徒B:はい、…

夏期講習:交点を通る直線

先生:次の問題はこれだ。2本の2次関数、つまり放物線の2つの交点を通る直線の方程式を求める、という問題だ。 先生:まず、2つの交点の座標を求めて、その2点を通る直線を求めればいい。ではA君、やってみてくれ。生徒A:はい。まず、2つの放物線の方…

港町に沈む夕陽

沖を行く貨物船から汽笛のホルンが港町に響き渡る。ランドマークタワーの69階にある展望フロアから暮れなずむ港町の風景を眺めていた。 現代的な高層ビル群と歴史的な建造物が一つの夕映えの中で溶け合いながら港町の物語が壮大な絵巻物のようにつづられてい…

エスカレータの段数定理(その2)

前回、同じ速度でエスカレーターを2方向に歩くとき、その歩数がA、Bだったならば、エスカレーターの段数Nは、 という調和平均で求められることを示した。ここで、歩数A, Bは方向と速さによっては、マイナスの値をとる場合もありうる。 この定理はエスカレー…

エスカレーターの段数定理

-アトランタ空港ですごく長いエスカレーターに乗ったよ。世界一じゃないかな。 -へえ、何段くらいあるの?-ざっと100m以上はあったなあ。-だから、何段だったの?-そんなのわからないよ。測ってないし。-歩いて登って歩数を数えたらだいたいわかるでし…

ルール改正対応パッティング必勝法

2019年からゴルフのルールが改正となった。改正内容のひとつに、グリーン上でピンを抜かずにパットができる、というものがある。 しかし、毎度毎度パットのたびに抜くか抜かないか考えるのも面倒だし、プレイヤーごとに意見が異なると誰かがピンを入れたり抜…

角の3等分装置(原理編)

前回紹介した、角の3等分装置の原理を説明する。 4つのレバー(b~e)が一つの支点aで固定されている。 c、eのレバーの間には円板がありその中心はレバーdの上でスライドできるようになっている。円板の周りにはバネが取り付けられていて、レバーc、dの間…

シュレディンガーのおばちゃん

教授:君はシュレディンガーの猫の話を知っているかな?学生:はい、聞いたことはあります。教授:聞いただけでは困るな。ここは量子力学の研究室だ。それは常識の範囲だ。学生:少しは知っていますよ。猫を箱にいれていっしょに放射性原子が崩壊したら毒ガ…

角の三等分装置

これは15~16世紀を代表するイタリアの知の巨人のノートの片隅に遺されていた落書きのような絵である。 一見して何らかの装置とか機械のように見える。しかし説明が記されていなかったのでこれが一体何を意味するか、何を目的としたものなのか長年の謎とされ…

3次元ピンボール(その3)

話はピンボールから完全にそれてしまうが、次の形式で2進法表記された、 という、0~1の範囲の数に対して、 桁数に対応して直角二等辺3角形をどこまでも細分化していくと、最終的に一つの点に収束していく。こうして、0~1の間の実数Fを三角形の内部の…

3次元ピンボール(その2)

0から1までの実数を2進法で表記する。この小数点以下の桁数と数に対応して、2等辺直角3角形を細分化していく。 桁数を進めるに従って経路は複雑化し、3角形内を塗りつぶすように進んでいく。こうして長さ1の線分上の点は、3角形内のどこかの点に対応…

3次元ピンボール

taamori1229.hatenablog.com ピンボールの定理を3次元に拡張する。 原点Oから球を打ち出す。打ち出す方向はこの図に示した通り、x,y,z≧0の範囲だけを考える。原点O付近を拡大すると、 となり、球は⊿ABCのどこかの一点Dを通過して飛んでいく。⊿ABCのyz平面へ…

我が心のピンボール(その3)

格子状に無限に広がる穴に向かって、球を打ち出す。 ここまで、次の定理が成り立つことを証明した。 ◆ピンボール定理球、穴の大きさが両方とも0の場合、球の打ち出される傾きの値が、 (1) 有理数の場合、球はどこかで穴の中に落ちる。 (2) 無理数の場合、球…