★Beat Angels

前途は遠かった。でもそれはどうでもいい。道こそが人生だからだ。 - Jack Kerouac

2008-07-26から1日間の記事一覧

プロビデンス探訪記(第1回)

プロビデンスを訪れてみたい、その気持ちが芽生えたのはいつの頃だったろう。プロビデンスは、20世紀を代表するアメリカの幻想小説作家であるラヴクラフトの故郷であり、彼は生涯の大半をその街で過ごした町である。彼の小説の内容はさておき、彼の小説の舞…

プロビデンス探訪記(第2回)

ホテルにチェックインしたのは午後10時過ぎだった。早速、ホテルのフロントで観光マップを入手。一読したが、ラヴクラフトの名前やちなんだ場所も一切かかれていない。ウォーター・ファイヤーという催しがあるらしく、川の上にたくさん炎が並んでいる写真つ…

プロビデンス探訪記(第3回)

空腹を覚えていた私は、仕方なくReflection Caféという店に入って、ありきたりのサンドイッチとアイスコーヒーを注文してテーブルに座った。談笑する学生の一団、片隅で新聞を読む初老の男、冗談を言い合う店員たち、それはあまりに日常すぎる光景だった。さ…

プロビデンス探訪記(第4回)

翌朝は晴天。まずは、ミスカトニック大学のモデルともなったブラウン大学へ向かう。ミスカトニック大学は、古代遺跡、文献調査で有名で、その付属図書館(後述するジョン・ヘイ図書館)には魔道書「ネクロノミコン」の原書を含む、人類の英知を超える資料を…

プロビデンス探訪記(第5回)

ジョン・ヘイ図書館は、ラヴクラフトの蔵書では世界一と言われている。今回、日本で出版されているラヴクラフト全集を持参して、そこに進呈するつもりだった。しかし、残念ながら休館日だった。土曜日だからか、ブラウン大学の卒業式だったからかは不明であ…

プロビデンス探訪記(第6回)

・・・その距離は一日ごとに延長して丘のふもとへ向けて足を伸ばしこの旧都のより古い、より異様な部分へと踏み入っていった。もっとも裏手の壁と破風屋根の特徴のあるジェンクス街から影の多いベネフィット街へ降りる急坂までくるとさすがに彼は躊躇して足…

プロビデンス探訪記(第7回)

ベネフィット144。とうとう、忌まわしいこの家の前に立つ日が来た。とは言っても、ホイットマン夫人宅とは通りを挟んで斜め向かいの御近所同士である。ベネフィット通りを斜めに横切れば徒歩で10秒の距離である。 ・・・家は、なおも現存しており、好奇の…

プロビデンス探訪記(第8回)

ファースト・バプテスト・チャーチの入り口を抜けるとトーマス街である。ここはカレッジ・ヒルズに向かう緩やかな上り坂になっている。その中腹にこの奇妙なデザインのアパートがある。 ここは、「クトゥルフの呼び声」で登場する青年芸術家のウィルコックス…

プロビデンス探訪記(第9回)

●Thomas街 トーマス街は、ラヴクラフトが好んで夜散歩をしたところ。トーマス街はカレッジ・ヒルズではウォーターマン街と名前を変える。ふと立ち寄ったウォーターマン街のアンティークショップでトーマス街の古い絵葉書を購入した。ラヴクラフトが夜な夜な…

プロビデンス探訪記(第10回)

●チャールズ・ウォードの帰還 まずはチャールズ・ウォードが少年時代にプロビデンスを散歩したときの光景から。 ・・・曲がりくねった道を、サウス・メインからサウス・ウォーターへたどり、沿岸航路の汽船と測量船が横付けになる埠頭を歩き回ってからふたた…