前回紹介した、角の3等分装置の原理を説明する。
4つのレバー(b~e)が一つの支点aで固定されている。
c、eのレバーの間には円板がありその中心はレバーdの上でスライドできるようになっている。円板の周りにはバネが取り付けられていて、レバーc、dの間の角度を変えることで円板は自由にスライドする。
この装置の使い方は次のように推測される。
任意の角度∠BACが与えられたとき、
①支点aをAに合わせる。
②レバーeを辺ABに合わせて固定する。
③レバーcを回していく。
④レバーbが辺ACに一致したところで止める。
以上の操作で、レバーc、dは∠BACを3等分する線となる。
レバーcとレバーdの関係が分かりにくいので拡大すると、
となっている。円板の半径Rと同じ長さの棒がバネiと接続されており、その接続点はレバーcの上をスライドする。棒のもう一方はレバーbの上をスライドするようになっている。バネiの働きによって、この棒とバネは常にレバーcと垂直方向に移動する。つまり、棒とバネの接続点は円板とレバーcの接点と同じ場所になる。
以上の動作によって、
3つの直角三角形A, B, Cは合同となり、支点aの周りの角度は3等分されるのである。