★Beat Angels

"Don't use the phone, People are never ready to answer it. Use Poetry." - Jack Kerouac

シュレディンガーのおばちゃん

教授:君はシュレディンガーの猫の話を知っているかな?
学生:はい、聞いたことはあります。
教授:聞いただけでは困るな。ここは量子力学の研究室だ。それは常識の範囲だ。
学生:少しは知っていますよ。猫を箱にいれていっしょに放射性原子が崩壊したら毒ガスが発生する装置もいれておく。そうするとかわいそうな猫はいつか死んでしまう。箱のふたをあけるとそれがわかる。という仕掛けですよね。

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教授:ふたを開ける直前が問題なのだ。放射性原子の崩壊したかどうかは確率的な事象だ。ふたをあける、という観測をするまでそれはわからない。
学生:それは箱の内部の事象を知りえないという人間の認識能力の問題だと思いますけど。
教授:少し違う。量子力学では原子が崩壊している状態としていない状態の2つが同時に存在することができる。ふたを開ける前はどちらの可能性もあるので、結果的に猫は生きているか死んでいるかどちらの状態でもある、ということになる。
学生:瀕死の状態の猫がいるということですか?
教授:違う。しっかり生きているし、しっかりと死んでいるの両方だということだ。
学生:どうも理解できないなあ。ねえ、教授。これは猫のような静かな生き物だからわかりにくいんじゃないですか?もっと生きているかどうかわかりやすい、もっとうるさい生き物で実験してみたらもっとわかりやすいと思いますが。
教授:もっとうるさい生き物?それはなんだろうか。。。
教授、学生:そうだ!おばちゃんだ!


学生:実験装置ができました。大学の正門の前を大きな声を出して歩いていたおばちゃんも実験に協力してくれるというので連れてきました。
おばちゃん:ちゃんとお礼をもらえるんでしょうね。
教授:お金で勧誘したのか。
学生:ちょっと危険な実験だし、それ相応の謝礼は必要でしょう。
おばちゃん:今日は野菜のセールがあるんだから早くしてよね。
学生:それではこの部屋の中に入ってください。
おばちゃん:何よ、この狭い部屋は?
学生:ドアの鍵をかけました。さあ、それでは実験を開始します。
教授:ドアをどんどんとたたいているじゃないか。
学生:それがいいんですよ。じゃあ、スイッチを入れます。
おばちゃん:こんなの聞いていないわよ!はやく開けなさいよ!猫と遊ぶんじゃなかったの?
教授:君はいったいどんな説明をしたんだね?
学生:いいから、見ていてください。
おばちゃん:真っ暗で何も見えないじゃない!早く私を出しなさい!
教授:うるさいなあ。隣の研究室から苦情が来そうだ。
学生:まあまあ。もうすぐ結果が出ますから。


教授、学生:あ、静かになったみたい。
学生:じゃあ、ドアを開けてみます。
教授、学生:あ・・・猫だ!そしてちゃんと生きている。
教授:うむ。やはり、シュレディンガーは正しかったわけだ。
学生:な、わけないでしょ!