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"Don't use the phone, People are never ready to answer it. Use Poetry." - Jack Kerouac

3次元ピンボール(その2)


0から1までの実数を2進法で表記する。

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この小数点以下の桁数と数に対応して、2等辺直角3角形を細分化していく。

 

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桁数を進めるに従って経路は複雑化し、3角形内を塗りつぶすように進んでいく。こうして長さ1の線分上の点は、3角形内のどこかの点に対応していくことになる。

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yz平面をz軸を虚数軸とする複素平面と考える。2進法表示の桁数をnとすると、3角形をn回2等分したときの頂点の座標は、次式で与えられる。

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ここで、Anは、

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である。ここでEの各項、

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を具体的に計算してみると、nの奇数、偶数で場合分けされて、

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となり、いずれの場合も実数部、虚数部ともに有理数であることがわかる。Eを求めるときに、級数の和が有限回で終了すればEは有理数であることが保証される。


Fが有理数であるときは、2進法表記でも循環部が現れる。有理数を2進法で表したときの一般的な形式は、

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である。

今回の問題は偶数・奇数で挙動が分かれるので便宜的に、

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循環部を2pの幅とみなし、偶奇性の影響を抑えて計算を容易化する。こうすることでによってEの各項については循環の規則に従って、

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が常に成り立つ。本当はこの2が邪魔なのだが、2を削除するとpが奇数の時に成り立たず、場合分けがややこしいのでこうしている。

この式を用いて、Eの無限級数を計算してみると、


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と簡略化される。ここで、


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を用いた。こうしてFが有理数の場合には、Eの級数計算が有限回で終了することが分かる。前に示したように各項は実数部、虚数部ともに有理数であるので、その有限回の加算結果も同じく有理数となる。

こうして、3次元ピンボールにおいても、2次元の場合と同様に格子点の穴に入る確率は0であることが証明された。

と言いたいところだが、点Fが無理数の場合にそれが有理数の点Eに写像されないことを証明しないといけない。逆に言えば、有理数の点Eに対応する点Fが
すべて有理数となることである。確かに点Fが無理数の場合、点Eの計算は無限となるが、無限となるだけでそれが無理数であることの証明にはならないからである。