★Beat Angels

サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

アリとキリギリス

長さ1mの無限大まで伸縮自在のゴムがある。ゴムの片端は地面に固定されていて、そこに一匹のアリがいる。ゴムのもう一方の端には角砂糖が置いてある。アリは角砂糖を求めてゴムの上を歩いていく。蟻の歩く速度は秒速1cm。何もなければアリは100秒で角砂糖にありつける。しかし、角砂糖のある場所には意地悪なキリギリスがいる。

 f:id:taamori1229:20190124151747j:plain


さて、蟻はゴムの上を進みはじめた。10秒経過してアリは10cm進んだ。その瞬間キリギリスは意地悪をしてゴムの片端を1m伸ばした。ゴムは1mから2mに伸びた。アリはそれに気づかずに同じ速度で進んでいく。また10秒経過した。キリギリスはまた意地悪をしてゴムをさらに1m伸ばした。ゴムは3mまで伸びた。それから次の10秒後、そしてその後も同じことが延々と繰り返された。アリからみて角砂糖はどんどん遠ざかっていくように見える。それでもアリは角砂糖に向かって一心不乱に進んでいった。

 f:id:taamori1229:20190124154433p:plain


そしてとうとうアリは角砂糖にありつくことができた。アリは速度を上げたわけではない。キリギリスが根負けしたわけでもない。キリギリスは計算が違ったと悔しがった。そして、次回は作戦を変更してもっと頻繁に5秒周期でゴムを伸ばしてやろう、と悪だくみをしている。