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サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

小銭を整理しながら

 先日、家の整理をしていたら、たくさんの貯金箱と膨大な小銭が見つかった。

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枚数を数えてみると、合計で約3,600枚。金額にして1万5千円を超えていた。

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これを見ていて気になったのは、10円、5円、1円の実金額がすべて2,500円ほどで近い数字になっていることである。単なる偶然であろうか。

財布の中にある小銭の総額は0円から999円まで均一に分布して変化すると考えられる。このときの平均枚数を計算してみた。

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枚数の最大値は15枚、これは金額999円に対応する。硬貨別の枚数の平均値を計算すると下記のようになる。

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この財布の中の小銭から一定の確率で貯金箱に入れられていくとすると、だいたい枚数はこの表のような割合になるはずである。すなわち、10系列(1円、10円、100円)、5系列(5円、50円、500円)は系列内でほぼ同数、そして10系列は5系列の約4倍の枚数になるはず、ということである。

これと比較してみると、1円と5円の比率は約5倍でこの割合に一致していると考えられる。1円と5円の総額が近くなるのはこれが理由であろう。ところが10円は1円と同数レベルになるはずが極端に割合が少ない。


貯金箱に小銭が蓄えられていくプロセスを考えてみる。


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財布の中の小銭はたとえば500円、100円などの高額な硬貨は貯金されずに還流、すなわち再利用される可能性が高いであろう。硬貨の種類ごとに貯金:還流の割合が異なることが予想される。

そこで1円硬貨の還流率を90%(貯金率:10%)であると仮定してみる。その場合の他の硬貨の還流率(貯金率)を計算してみた。結果は次の通りである。

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50円以上の硬貨はほとんどが再利用される。一方で5円、1円はかなりの割合で貯金される。10円はその境界線上にある。それでも10円の貯金率は5円、1円に比べてほぼ一桁ほど低い。

さて、逆にこれだけの小銭がたまるのに必要な買い物の回数を算出してみた。

その結果、約13,900回であることが分かった。仮に1年に買い物をする回数を250回とした場合、約60年近い歳月が必要となる。実際にそれに近かったのではあるまいか。遺された膨大な小銭の山から在りし日の暮らしぶりが偲ばれた。