先日箱根のとある温泉街を訪れた時のことである。
風呂の出入口付近にこういう自動販売機を見つけた。
一見して「旦那(だんな)」と読めてしまったが、この丹那(たんな)は南箱根の盆地の地名、そして丹那牛乳は箱根地元の牛乳メーカである。
早速1本購入。
ガラス瓶特有のズッシリ感がいい。そして蓋は昔懐かしい紙製である。
このつまみの部分を持ち上げて開ける。何十年ぶりにやってみたのだが、空気が抜かれているので蓋はしっかりと締まっていて簡単には開かない。蓋の裏には樹脂が塗られているので密封度は高く、逆さにしても中身が漏れたりする心配がない。開ける瞬間にポン!という小気味いい音がする。小学生のときに開けるのが下手でいつもこぼしている旧友がいたがこうした日本ならではの技術工芸のなせる技であったわけである。
つまみを開けるときの微妙な指の力の入れ加減を久しぶりに味わった瞬間、小学校当時の場面が走馬灯のように浮かび上がった。そう、旧友たちとこの蓋を集めて、大切に机に隠していた。そして昼休みは、これをメンコとして遊んでいたのだった。そのワクワクした気分までが指の感触を通して呼び覚まされたのであった。
蓋のこの小さなつまみは手の大きい人には開けにくい。そういう人のためにこういう道具もちゃんと発明されていた。なんと驚いたことにまだAmazonで今でも購入可能である。