★Beat Angels

サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

ビリヤードの定理

 ビリヤードにおける球の衝突時の挙動を解析する。

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このように球1を球2にぶつけて衝突させるものとする。このとき、衝突の後の2つの球の方向のなす角度θはいくつになるだろうか。

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衝突前後でエネルギー保存則、運動量保存則を適用する。

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特に第2式については、

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となることを用いて、第1式と合わせて、

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が得られる。これがビリヤードの定理である。これから普通の衝突ケースにおいては、

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つまり、いつでもθは直角になることになる(下図)。

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しかし、どんな場合でもそうなるかというと、

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のケースも考えないといけない。

 

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の場合は、下図のように正面衝突である。

 

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球1は衝突後に停止し、運動はすべて球2に引き継がれる。ここまでは当然考えられる。それでは、

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という場合はいったいどういうケースだろうか?

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そう、衝突しない場合、つまり外れである。当たることばかり考えてはいけない、数式はそれを冷静に教えてくれているのである。