ビリヤードにおける球の衝突時の挙動を解析する。
このように球1を球2にぶつけて衝突させるものとする。このとき、衝突の後の2つの球の方向のなす角度θはいくつになるだろうか。
衝突前後でエネルギー保存則、運動量保存則を適用する。
特に第2式については、
となることを用いて、第1式と合わせて、
が得られる。これがビリヤードの定理である。これから普通の衝突ケースにおいては、
つまり、いつでもθは直角になることになる(下図)。
しかし、どんな場合でもそうなるかというと、
のケースも考えないといけない。
の場合は、下図のように正面衝突である。
球1は衝突後に停止し、運動はすべて球2に引き継がれる。ここまでは当然考えられる。それでは、
という場合はいったいどういうケースだろうか?
そう、衝突しない場合、つまり外れである。当たることばかり考えてはいけない、数式はそれを冷静に教えてくれているのである。