こういうCDを手に入れた。
全77曲の国家の歌詞を眺めていると、いくつかのパターンがあることがわかった。そこで歌詞によく登場する以下の観点の有無についてチェックを行った。
① 神
宗教上の神、創造主に対する敬愛
② 英雄
国家建設、安定化に尽力した英雄に対する敬愛
③ 元首
王国ならば国王、あるいは統治者への敬愛
④ 自然
国土、自然、あるいは産品への愛着
⑤ 他国
他の国や地域に対する友好的な視点
⑥ 敵
敵対する国や地域への対応指針
結果を地域別に以下の表に示す。
日本は物議をかもしそうなのであえて除外している。①~⑥の視点が地域ごとにどの程度の割合で存在するかを整理してみたのが次の表である。
合計欄を見るとわかる通り、①神と⑥敵がどちらも30%以上の国で採用されている。この二つが国歌の主題の定番であると言える。さらに①神、②英雄、③元首まで広げるとこの3つのいずれかが含まれる国歌は48%、つまり約半数の国で神あるいは尊敬できる人物が登場している。そしてその次が④自然で割合は22%である。
地域の差に目を向けると、①神はどの地域でもほぼ同等の割合である。しかし⑥敵はかなり地域差が認められる。北中米については64%と割合が非常に高いのに対して、アフリカは少ない。中東はもっと高いかと思いきや実は平均レベルである。④自然については、ヨーロッパ、アジアが同レベルで高いが、南米、アフリカ、中東など赤道付近の国々が低い。これは気候的な暮らしやすさ、に比例しているのであろうと推定される。
次回はさらに国ごとのレベルで分析を行った結果を報告予定である。