という問題の1次元の場合(針金)の証明である。まず問題を数学的にモデル化する。針金上の点を0~1の実数に対応させる。
針金上の任意の点Aに対応する折り曲げた針金上の点を点Bとする。さらに点Bから最初の針金におろした垂線の足の点を点Cとする。この時、点Cの座標はxの関数であるf(x)で表現されるものとする。
ここで折り曲げた針金は元の針金の範囲を逸脱しないものとする。つまり、
ということである。さて、今回の問題は、この条件の下で針金を切断することなく自由に曲げた時(数学でいう連続、に相当する)、どんな曲げ方をしても、
となるx0が少なくとも一つ存在するという問題となる。
これの証明であるが、
という関数F(x)を導入するとわかりやすい。今回の問題はF(x)について、
となるx0が少なくとも一つ存在することと同じになる。
針金の両端(x=0,1)についてFの値を求めてみると、
となり符号(プラス、マイナス)が異なる。これをグラフで表すと下図のようになる。
f(x)が連続であると仮定したのでF(x)も連続となる。連続なのでこの両端の点の間で必ず1回はF(x)=0の線分のどこかで交わることになる。下世話な言い方をすると必ずどこかですれ違う、ということである。その点の一つをx0とすると、
つまり、
が成り立つことが証明される。2次元の場合もほぼ同様の論法で証明可能である。それはまた次回とする。