先日、友人と二人で火鍋の店にいった。
鍋は2種類のスープが味わえるように分かれている。赤い方が麻辣(マーラー)、白い方が白湯(パイタン)。それぞれ数十種類の漢方食材が入っていて滋養強壮に効果がありそうである。しかし麻辣の方はかなり辛い。
青島ビールを片手にラム肉のしゃぶしゃぶを味わった。
-この鍋の形は中国の陰陽思想だよね。
-太極図という形だね。
-この2種類のスープどちらが好き?
-僕はこの辛い方はちょっと苦手かな。
-俺はどちらも同じくらい好き。
-じゃあ、この状態だとお前の方から赤い方が取りにくいから少し回そうか。
-うん、中央の線から赤と白の面積がぴったり同じになるようにしてよ。
-勝手なことを言うなあ。目分量でこんなんでどうかなあ。
-正確には何度回転させたらいいんだろう。
さて、火鍋の形は実際の太極図とはだいぶ違うが、正規の太極図だった場合に何度回転させたらいいかを求めてみる。
太極図とは、
という形をしていて、
というように全体の円に対して半分の大きさの円が二つ隠れていると考えるとわかりやすい。今回の問題は、
全体の円の面積を1としたときに、中央からの線から手前の二つの部分の面積がどちらも1/4となるような回転の角度θを求めることである。
一般の角度θについて考えると面倒そうにみえるが、次の図のように分割してそれぞれの面積を求めてみると、
となりすべての部分が等しく1/8となる。特に一番ひしゃげた形の面積が分かりにくいかもしれないが、これは全体の4分円(大きさ:1/4)から小さい円(大きさ:1/4)の半円(大きさ:1/8)を差し引くことで1/8と求められる。これがわかると答えは簡単で、
ぴったり45°回転させれば2つの面積をぴったり1/4ずつとすることができる.。
このように太極図は幾何学的な視点からも美しくも深淵なる調和を秘めていた。