前回に引き続き今回は、
について考察する。一般的に、
が成り立つとされているので、両式に単純にx=0を代入してしまうと、双方矛盾する結果となる。答えは果たして0なのか1なのか、はたまたどちらでもない別な数なのか。実は2つの"0"が"0"に到達するまでの経路によっていろいろな値となり一意に値は定まらない、というのが正解である。但し、ここでは、
という関数を定義して、
という極限の値として求めることとする。ここで+0とはxが正の値を保ちながら0に近づくことを意味する。この式は、
と変形できて、
という近似が成り立つことを利用すると、
となり、最終的に1に収束することが分かる。これをMicrosift Mathを用いて確認してみると、
xが大きな値からx=1までに向かっていくときは順調に値は減少していって0に向かっているように思える。しかし、xが1よりも小さくなると極小値を通って増加に転じて最終的に1となる。上図においてマーカで示している極小値を示しているが、このxは、x=1/e(約0.37)である。
さらにxが0の近傍での挙動は上に述べた式から~1-x、である。Microsfot Mathでx=0近傍を詳細に分析してみると、
確かにx=0の近傍では、ほぼy=1-xという直線で近似できることが分かる。
さて、0^0に近づくルートは上記で示したもの意外にも数限りなくある。その中からここでは、次の3つを考える。
後者2つについては複素解析の力を借りる必要がある。結果だけ示すと、
となりすべてx→0で1に収束する。但し、そこへの接近の仕方は各々異なる。複素平面上でx=1の近傍で収束に向けた挙動を示すと下図のようになる。