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君がすべきことはただ一つ、ニューヨークへ行くことだ -ジャック・ケルアック

田端文士村記念館

 JR田端駅の北側の改札を出て西方向に進む。

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 そして、駅すぐそばの横断歩道を渡る。

 

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 そこに文士村記念館がある。

 

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 かつてこの田端の地に芥川龍之介が居を構えた。それをきっかけに室生犀星菊池寛堀辰雄萩原朔太郎などがここに移り住み、文士村となった。大正のころの話である。

 

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 この記念館は、その中でも特に芥川龍之介萩原朔太郎室生犀星の3人の友情をモチーフとした作品、書簡、エピソードなどを中心に展示している。ちょうどこの日は『水魚の交わり』と題した犀星と朔太郎の二人の友情がテーマの特設展があった。

 当時、田端にあった芥川の家屋の模型が展示されている。

  

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 こんなエピソードがある。

 朔太郎の詩集『日本詩集』の出版記念式が田端の中央亭というところで開催された。その席上でとある詩人がそれに難癖をつけた。犀星はそれを聞きつけて、朔太郎危うしと早合点、会場に馳せ参じ、会場にあった椅子を振り回して突進したという。芥川はその様子を傍で楽しく眺めていた。

 

敬愛する室生犀星よ、椅子を振り回せ、椅子を振り回せ

 ー 『芥川書簡』(T15.5.29)

 

 この3人はおなじ田端で暮らして、互いに尊敬しあい、刺激しあいながらも不思議な三角関係で結ばれていた。そしてそれは朔太郎、犀星の友情の間に割って入ろうとする芥川、という構図に見えてくる。

 そして最も印象深かったのは朔太郎の『芥川龍之介の死』と題した追悼文。

  芥川、室生の3人で田端の料理屋でうなぎを食べた。その時、芥川の顔には悲しげなものがちらりと浮かんだ。それでも彼は沈思し、無言の中に傘をさしかけて夜の町中を田端の停車場に送ってくれた。振り返ってみると彼は悄然と坂の上に一人立っている。自分はわけもなく寂しくなり手を振った。
ーそしてそれが最後の別れになったのである。

 

 最後に、最近の話題。

 この時代の雰囲気と、文士たちの友情関係は時代を超えてクリエーターに刺激を与えているのだと思う。

 

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 ちなみにこの記念館、入場料は無料。