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サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

芋煮とエッシャー

 はっきりしない天候が続いているが、東北地方からは時節柄、芋煮の便りが聞こえてきている。今年は本場の山形では6mの大鍋も登場し、クレーンを使って一度に3万食分賄ったそうだ。

 

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 近所の人たちや同級生たちで集まり、河原で作って食べた芋煮の味は今でも忘れられない。

 

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 さて、話は変わり横浜駅前の百貨店で開催されていたエッシャーを見に行った。元々は長崎のハウステンボス所蔵品である。 

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 有名な作品はほとんど展示しており、見ごたえがあった。というのもエッシャーの作品は日本の浮世絵と同じく版画なのだ。本物といえば本物、量産品といえば量産品である。版木さえあれば今現在でも製造可能である、ということである。

 それと初めて知ったのは日本でエッシャーの名を有名にしたのは、 

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 少年マガジンであったという意外な事実。表紙に積極的にエッシャーの絵を採用して紹介した。それも原作に忠実でかなり精緻な図柄である。

 それと、会場には実物の版木の展示もあった。こちらは無機質のエッシャーの版画とは違い、手彫りの温かさを感じるものであった。

 それと錯視をテーマとした展示があった。

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 エッシャーの『上昇と下降』の模型。上記のこの絵は展示会のパネル写真の左側をご覧いただきたい。ある方向、角度からみると作品と同じに見える。が、それ以外からだとこんな風にいびつな形である。

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 この方向から見るとボールが坂道を登っていくように見える。それは不思議だがちょっと別な角度から見るとすぐに納得できる。

 

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 奥にあるのは鏡。エッシャーとは直接関係はないが、あまりにも異なる形はちょっと不思議。

 

 さて、芋煮の話題で始まり、急にエッシャーの話題に変わって、とりとめもない話をしているようだが、実は私には関連がある。エッシャー展にて実物の版木を見た私は急に版画をやってみようと心に決めた。そして展示会の帰り道には小学校以来の彫刻刀を手にしていたのであった。

 3作の習作(含む失敗作)を経て、記念すべき最初の作品はこれである。

 

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 本当は木版画にしようと思ったのだが、店員さんから初心者で忙しい人はゴム版画 から入るのがいい、と勧められた。確かに彫刻刀の手ごたえはやさしいものだった。でも、いつかは木版画、そして最終的には銅版画にチャレンジしたい。

 食欲と芸術の秋の話題でした。