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君がすべきことはただ一つ、ニューヨークへ行くことだ -ジャック・ケルアック

唐突に2.26事件のこと

 先日、遺産相続の手続きで役所に行ってきたが、窓口でこんなやりとりがあった。故人の戸籍謄本についての話である。故人が生まれたときからの戸籍を入手して提出したのだがその内容について疑義があるというのである。ちなみに故人は昭和10年(1935年)生まれ、享年80歳であった。役所の窓口の対応者は20代の若い女性である。

 -故人の誕生日は昭和10年11月で間違いはないですか?

 -はい、その通りです。

 -故人の戸籍への登録は昭和11年3月と約4ヶ月遅れています。

 -はあ。

 -この空白の4ヶ月間に相続に関する事案が発生していたということはないですか?

 -はあ?あの・・・まじめに聴いていますか?

 -はい、ルールですので。

 -当然、私は生まれてませんし、故人も0歳の時のことですから・・・

 -この空白は分からないということですね。

 -そういうことになります。

 -困りましたね。どなたか分かる方はいませんか?

 -そういわれましても、故人の親を含めて関係者もほとんどこの世の人ではありませんし。

 -そうですか。では、仕方がないのでこれで提出してみますが、受理されるかは確約しかねます。

 -あの・・・これは戦時中の頃の話ですし、戸籍の登録が遅れるということは普通にあったのではないでしょうか?昭和11年の2月といえば2.26事件が勃発して政局も国情も大混乱の中にありましたから。

 -(まじめな顔で)ああ、そういうことがあったんですか。

 -あ、いえいえ、例えばの話をしています。私が覚えているわけではありませんよ。

 -はあ。

 唐突に2.26事件の話題を出してしまった。

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 なんとなく、自分が窓口の彼女達とは違う世代側に属していることを痛感させられ急にさびしくなった。昭和は遠くなりにけり、である。いやいや、覚えているとか、いないとかそういう話ではない!