前回は、女優・水野久美を紹介したが今度は世界に目を向けるとどうだろうか。こちらも答えは実は明白である。それは女優・ナンシー・アレン(Nancy Allen)である。
最近、と言ってもだいぶ前の映画だが、ロボコップでの主人公の女性相棒警官アン・ルイス役を思い出す人も少なくないであろう。
ちなみにアン・ルイスという役名は偶然ではなく、当時のロボット大国・日本へのオマージュあるいは皮肉だとも言われている。
さて、ナンシー・アレンは1950年生まれ、今では65歳のおばあさんの年代。キングの処女作である『キャリー』(76年)で無残な死を遂げるいじめっ子役で脚光を浴びる。
高校生とは思えない妖艶さである。それもそのはず当時すでに26才であった。
主人公のキャリーに対して陰湿ないじめを繰り返し最後は復讐されるという嫌な役柄であったが愛くるしい容貌とのギャップに高校生の私は懊悩したのであった。
彼女も水野久美と同様に普通のお嬢さん、お母さん役ということもなく、特撮・サスペンスの道をまい進していく。その理由の一つが当時の旦那が『キャリー』『殺しのドレス』のパルマ監督であったことによる。
『殺しのドレス』(80年)では殺人鬼を追い詰め、追い詰められる娼婦役。しゃれたブティックなどよりも警察の取り調べ室にいるのが妙に似合う。
母親を殺害された高校生と一緒に犯人を追い詰める作戦を相談をするシーン。ナンシーはコケティッシュなパジャマ姿。うらやましく思ったものである。
この映画にはもっと過激なシーンも登場するがここでは割愛する。
『1941』(79年)。スピルバーグ監督による戦争コメディ。三船敏郎も潜水艦の艦長として出演する不思議な映画であった。(興行的には失敗。)
ナンシーは普段はまじめな秘書であるが、飛行機を見ると興奮で目の色が変わるという性癖を持つ女性の役柄。これが高じて米軍に大混乱を与えることになる。
代表作がないのが残念であるが数少ない作品だけでアメリカ・ヤンキー女性の魅力を十二分に世界に知らしめ、世界中の高校生達をも魅惑した功績によりこの栄誉を与えるものである。