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サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

峰不二子とシンクロニシティ

 昨年は江戸川乱歩生誕140年であったが今年は乱歩が亡くなって50年とのことで最近立て続けに乱歩の特集が組まれている。

  

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 少年探偵団シリーズの代表作である『黄金仮面』には大鳥不二子なるヒロインが登場する。ヒロインとは言っても悪役(実は怪盗ルパン)に寄り添う妖艶で情熱的な美女なのだが、これを読んだことのある人はこの大鳥不二子は『ルパン3世』に登場するあの峰不二子のモデルに違いないと思うだろう。ところがモンキーパンチがインタビューに答えた記事を最近読んだのだがそれによると、

『不二子のネーミングはたまたま目の前にあった富士山のカレンダーから。タイトルは「霊峰富士」だった。”霊”をとって”子”をつけたらいい字面になった。』
 これを読んだときにさて、素直に信じていいものか、と悩んでいた。この疑問を氷解してくれた人物がいる。それは心理学者のユングであり、かれの学説であるシンクロニシティである。これは「意味のある偶然」と訳される。代表的な例としてユングがあげるのはこんな話である。

- 1949年4月1日、昼食で魚を食べた。そこで誰かが「エイプリル・フィシュ」(エイプリルフールの言い間違い)で人をかつぐ習慣の話をした。午後、一人の患者が自分が書いた魚の絵を彼に示した。夕方、魚に似た怪物の模様がある刺繍を見せられた。翌日の朝、別の患者が魚の夢を見たと彼に話した。この頃、ユングは歴史における魚のシンボルについて研究していた。

 ユングはオカルティズムに走ったと評される晩年の学説なのであまり評判にはならなかったが、当時、量子力学により統計という手法で人間の認識と物理現象の関係に新たな概念が見いだされた時代でもあったのでもう少し評価されてもいいのではないか、と思う。

 さて余談であるが、この黄金仮面はテレビドラマにもなった。天知茂明智探偵を演じる人気シリーズであった。

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 このドラマを見ていて少し気になったことがあった。それは黄金仮面役(実は怪盗ルパン、つまりフランス人)の伊吹吾郎がロベールという名前で、角刈りであったことである。

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 角刈りのロベールって。。。