1987-11-08 秋の抜け道 ★東京逍遥純情詩集 雑木林を抜けてあなたが帰っていった道は秋が見える道なのだ池をめぐってお稲荷さんに出ればあなたは独りつぶやくだろう私はきっと耐えられます、と武蔵野の秋は澄んだ空に風が笛を吹き電車がきらめきながら走り妙に心がはしゃいだ離れ離れの恋人たちの瞳さえ軽やかに歌ったりするこわれてしまった愛について果たせなかった誓いについて思い出すのはずっと後でいい雑木林を抜けて行った道は寂しさをすり抜ける道なのだ <東伏見稲荷・西東京市> 『東京逍遥純情詩集('80~'85)』より