★Beat Angels

サル・パラダイスよ!誰もいないときは、窓から入れ。 レミ・ボンクール

海の子


水平線をみてしまったら

だれもが海の子になる

海の子は
大切な無数の思い出たちを
渚に捨て始める

夕陽が水平線に沈むのを見ると
捨てるということが
少しも哀しくないことに気づき
明日という日が
必ずくるように思えてくる

海の子は
心がひろびろとしてきても
そのことに気づくことなく
いつまでも水平線を見ている

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       <新島・東京都>

『東京逍遥純情詩集('80~'85)』より