1985-04-21 秋の春情 ★東京逍遥純情詩集 おだやかな秋に明日は上野に行こうと君を連れ出した公園をめぐる季節の限りない記憶のかけらが落ち葉のように散り始める 多分あしたも空は晴れぼくらは無口に愛を語り動物たちに会い乾いた道を歩くだろう子供のように手をつないで 遠い春に出会い秋に別れた不忍池の辺りをあの人は今も訪れるだろうか君を知る前の春情が日暮れのように降り始める <不忍池・上野> 『東京逍遥純情詩集('80~'85)』より