映画『ブレード・ランナー』の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の原作者フィリップ・K・ディックの傑作短編集。
タイトル作品『トータル・リコール』は映画化されたので有名(2回、リメイク版は2013年)。さらには2008年にスピルバーグが映画化した『マイノリティ・レポート』も収録されている。それぞれ短編にしておくのはもったいほどの壮大な世界観・宇宙観・人間観を秘めた作品集。それぞれサスペンスの要素を巧みに採り入れて読みきらせてしまう。映画化に際してはこれら30ページほどの短篇小説からそれの秘めたポテンシャルを嗅ぎ取って、大胆にイメージを拡大させていることが原作を読むと理解できる。よって映画化の成功・失敗については各位の読後感に依存して意見は大きく分かれるところである。
実はフィリップ・K・ディックのTシャツなるものが発売されている。これは『アンドロイドは電気羊の・・・』の本のデザインである。これはなんとしても手に入れたい。