★Beat Angels

君がすべきことはただ一つ、ニューヨークへ行くことだ -ジャック・ケルアック

駄菓子屋紀行(第1回)~序章~

 カルト的漫画家つげ義春氏によると『道に迷いやすい人がうらやましい(貧困旅行記)』のだそうです。

 僕も自慢するわけではないのですが、滅多なことでは道に迷うことはありません。でも旅先でこんなことを体験することがあります。見知らぬ街に降り立ち、とりあえずの目的地を決めて、方向にその方角に歩き始めます。大きな通りは極力選ばず、複雑に入り組んだ路地裏を選んで進んで行きます。ふと見つけた何でもない風景に心を奪われながら、道を踏みはずしていくのがコツです。もの思いにふけりながらでもいいです。やがて自分がどこにいるのかわからなくなる時がきます。その瞬間が、何気ない町並みが急に親しみを帯びたものに変わる一瞬です。僕はこれを擬似迷子と呼んでいます。

 僕にとっての駄菓子屋はそんな心象風景の中にひっそりとあります。駄菓子屋文化は絶滅したのでしょうか?いいえ、コンビニ文化に脅かされながらもどっこい生きています。僕はここ数年間駄菓子屋文化の再発掘を行ってきました。しばらくの間、紙面をお借りして、その調査結果を報告していきます。

 次回は、川越市の駄菓子屋横丁を紹介します。